読書録

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困難な選択 上・下

困難な選択 (上)

困難な選択 (上)

困難な選択 (下)

困難な選択 (下)


大統領選挙をめぐり、注目されている著者の国務長官時代の回顧録だが、映画『ゼロ・ダーク・サーティ』で描かれたビン・ラディン殺害についても、当時のことを記していて、真偽はともかく面白く興味深い。


出版した日本経済新聞出版社のサイト⇒
https://eb.store.nikkei.com/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=D3-00016941C0
https://eb.store.nikkei.com/asp/ShowItemDetailStart.do?itemId=D3-00016942C0


このところ余裕がなく、読んだというメモに留めつつ、
◇本著で何度となく登場する『スマート・パワー』という、『外交的、経済的、軍事的、政治的、法的、文化的な道具(上p67)』を正しく組み合わせること、が重視されていることは記憶しておきたい。「米国の力や安全の源泉は、軍事力や経済力よりも我々の価値観のほうが大きいと信じていた(上p142)」によって、中国の人権問題への対応を語っていた。
◇また、アジアやとりわけ日本重視の背景にある考え方も参考になる。
キューバ政策で、世界中で学んだ経験として、変化をもたらす最良の方法は、外の世界の価値観や情報、物資的な快適さを国民に経験してもらうことだと考え、孤立化は政権の権力支配を強めただけ(上p400)、という認識も、このところの対応をみていてなるほどと納得する部分だ。
◇アフリカの昔の格言「夜がいかに長くとも、必ず日は昇る」(上p426)
◇米国務省は、「モバイル技術とソーシャルメディアを利用して、自国政府に説明責任を課したり、権力の濫用を記録したり、女性や若者など社会で軽んじられている人々に力を与えたりするのを重点的に支援することにした」(p164)というのは、今のICT技術が発展する中で、必要な動きなのだろう。広報局にデジタル部門を新設して、ツイッターフェイスブックフリッカー、タンブラー、グーグルプラスを含む幅広いプラットフォームを通じて、メッセージをより広い層に伝えていくため(p371)というのはわかるとして、「外交官に対して、フェイスブックで自分のページを作ったり、ツイッターのアカウントを設定したり・・・あらゆる方法を試みることを奨励した」というのは、まだまだ日本では追いつかない部分かもしれない。

{9/9-18読了、記入は27}