読書録

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LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲

男性は仕事、女性は家庭、というのがアメリカでも根強い考え方としてあり、育児休業などの制度は、むしろ日本の方が進んでいるという印象を受けた。仕事と家庭の両立の困難さは、それほど変わらない。医療保険制度の改革をめぐる議論が続くことなど、アメリカでは自由と競争が重視されるということか。そうした中で、女性が活躍するためには、著者が言うように、意識を変えて「もっと多くの女性が権力のある地位につくことp15」をめざし、前に進んで行くことなのだろう。


日経ブック&ビデオクラブのサイトに目次や概要あり→http://www.nikkeibookvideo.com/item-detail/31897/


印象に残ったポイントなどをいくつか引用
◇著者は1987年に大学入学、クラスメイトを見ると、高等教育を受けた女性のかなりの数が家庭に入り、労働人口から脱落しているp23〜仕事が最大限の時間を要求する時に子どもを産むことを望むと、夫が家事と育児を分担しないとフルタイムの仕事を二つ抱えたことになるのに、職場は柔軟な制度を用意するほどには進化していないp24

◇2011ハーバード大でのスピーチ「どうぞ人生に意味を見つけ、ほんとうの満足を得られること、情熱を注げることを発見してください…みなさんが大志を抱いてキャリアの道に大きく踏み出し、世界を変えていくことを心から願っています…p39」本を書くのは、他の人々に前向きになるよう励ますためだけではない。私が前向きになるためでもある。怖がらなければできることをするために、いま私は書いている。p40

◇2003年に行われたハーバードビジネススクールケーススタディで、強烈な個性の持ち主が成功したという話を、ハイディとハワードという女性と男性の名前だけ変えて読ませたところ、男性は好ましいが、女性だと自分勝手で一緒に働きたくないという結果で、成功と好感度は男性は正比例、女性hの場合は反比例するp58+ステレオタイプに基づいて判断し、男性は、一家の大黒柱、決断力がある、リーダーシップをとる。女性は家事・育児をする、こまやか、献身的など。女性が出世競争で押しのけられ、また競争から身を引くのもこのバイアスではp57-59

◇仕事を決める時の基準は成長p83、遠い夢だけでなく18か月プランを立てるのことも大切p84、リスクをとること、成長に賭けること、チャレンジすること、しかるべき昇進を要求すること〜地位も、やりがいのある仕事も、待っているだけではやってこないp90

◇『コンシャス・ビジネス』著者のフレッド・コフマンの研修や指導から、よいリーダーシップとは「気づき」。私の見方があれば相手の見方もあり、唯一絶対の真実はないのだから、これを理解することこそが、円滑なコミュニケーションの第一歩。p112

パワポ禁止ルールを自分とのMTだけで決めたのに世界に広がり困惑…p118、率直に本当のことを言ってもらったら、みんなの前で感謝することが大事p122、

◇「自分というもののすべてを仕事に持ち込むのはけっして悪くないp126」月〜金にプロ、週末だけプライベートに返るのが正しいとは考えていない、「自分の真実を語り、個人的な事情を正直に話し、感情は切り離せないものだといと認める方が、総合的に見てメリットは大きいのではないだろうかp127」→真のリーダーシップは個性や人格に由来する…完璧をめざすよりも自分らしくあるべきp129

◇育児で仕事を離れた女性は大きなペナルティを払わされることになる、正社員としての復帰は40%にとどまり、1年仕事を離れると平均年収は20%減少する…「硬直的な職務分担や勤務時間、有給の産休制度の未整備、途方もなく高い保育費…こうした障害物に突き当たってあきらめる例が多すぎるp145」

◇キャリアを左右する最も大きな決断は結婚…トップの座にある女性で、パートナーの全面的なサポートを得られていない人を私は一人も知らないp155、家庭を築き、仕事も続けたいなら、対等のパートナーになれる人を探すこと…女性は自分の意見をもち、聡明で意欲的であるべきだと考えている男性、公平であろうとし、家庭でも自分の役割を果たすべきだと、いや果たしたいと考える男性p163…「親になるとは、のべつ調整し、妥協し、犠牲を払うことであるp172…仕事と家庭のトレードオフは、いまだに毎日悩ましいp188

◇成功の定義は、「自分にできる最善の選択をし、それを受け入れること」p195

◇子どもを産む予定があるかと内定者に質問するリスクは承知しているが、差別から守る法律は必要ながら、日常の会話にまで冷たい影響を及ぼし、当の人達の不利益になっているジレンマがあり、守るべき人を守り、行き過ぎにならないような方法で取り組む道筋がきっと見つかるにちがいないと信じているp212

◇ラストの言葉「子供たちには、望むことをしてほしい。自分のほんとうにしたいことを見つけたら、大きく一歩踏み出し、そして進みつづけてほしい。いつまでも」p240


このところポイントは7つに絞ろうと思っていたのだが、記録しておきたいことが多くなり、分量が増えてしまった。情報通信技術の進歩によって、変化のスピードがこれまでになく速い中で、仕事のあり方、リーダーシップのあり方も、大きく変わっていかざるを得ないのだと思う。


{10/20-23読了、記入は11/3}