読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

日本語教室

日本語教室 (新潮新書)

日本語教室 (新潮新書)


「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という著者の言葉を、このところ、さまざまな場で耳にする。本著はその思想がよくわかる大学での講義録だ。名前や作品を知っていても、こうした背景やバックグラウンドがあったのかと納得できる一冊。


(目次ー引用)
第1講 日本語はいまどうなっているのか;
母語は精神そのものです;
・FANCLをファンケルとなぜ読む;
・なぜみんな髪をそめるのか;←鈴木孝夫さんの「地上ユートピア主義」いいところは他にある?
・「カタカナ倒れ」でも「漢字倒れ」でもなく;


第2講 日本語はどうつくられたのか;
・「レモンティー」が正しい日本語;
・日本語はどこからきたのか;
・言葉は絶えず変化する;
p113:「フリーダム」「ライト」「自由」「権利」の間にあったずれが、この百年の間に大きくなってしまったのではないかーそう思わざるを得ないのです。
p117〜(メリー・ホワイトがニューズウィークに書いた『日本はよい国か』⇒)「イエス。素晴らしい国である」と。そして「ただし」というのが入るんです(笑)「台湾・朝鮮の植民地化、満州国のでっち上げ・・・」と続いています。…
完璧な国などないわけですね。かならずどこかで間違いを犯します。その間違いを、自分で気がついて、自分の力で必死で苦しみながら乗り越えていく国民には未来があるけれども、過ちを隠し続ける国民には未来はない。つまり、過ちに自分で気がついて、それを乗り越えて苦労していく姿を、他の国民が見たときに、そこに感動が生まれて、信頼していこうという気持ちが生まれるわけです。


第3講 日本語はどのように話されるのか;
・最後はかならず母音でおわる;
・五つの音色の使い分け;
・駄洒落の快感;ex警視総監を近親相姦に読み違え・・


第4講 日本語はどのように表現されるのか;
・日本人に文法はいらない;
・日本語の不確定さ;
・「は」と「が」の使い分け;大野説・既知の旧情報には「は」を、未知の新情報を受ける場合には「が」を使う


(扉ー要旨)
井上ひさしが生涯考え続けた、日本と日本語のこと。母語と脳の関係、カタカナ語の弊害、東北弁標準語説、やまとことばの強み、駄洒落の快感…溢れる知識が、縦横無尽に語られる。「日本語とは精神そのもの。一人一人の日本語を磨くことでしか、未来は開かれない」―母校・上智大学で行われた伝説の連続講義を完全再現。日本語を生きるこれからの私たちへ、“やさしく、ふかく、おもしろい”最後の言葉。


{9/23ー25読了、記入は29}