読書録

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検事総長

検事総長 - 政治と検察のあいだで (中公新書ラクレ)

検事総長 - 政治と検察のあいだで (中公新書ラクレ)

今、試練にさらされている検察庁。その生い立ちの歴史や背景を概観できる一冊だった。

戦前の主流・思想検事と反主流派、戦後においても派閥争いがあったことが紹介される。
特捜一筋の吉永と生え抜き法務官僚の根来との検察観の違い(p269)で吉永総長は続投になったという。
弁護士が検事総長になっていた時代もあったとは、知らなかった。

p220に伊藤栄検事総長の就任会見で示された三つの信条
「悪いやつを眠らせない」「被害者とともに泣く」「うそをつかない」というのはわかりやすい。

p247の筧検事総長の「検察は万能ではない。検察が世の中を動かすというように錯覚してはいけない。検察の力が社会に評価され、期待が大きい時ほど自戒する必要があるだろう」という言葉も重い。

調書や捜査のあり方は、被疑者側になった検事が”可視化”求めるのだから、一刻も早く改善を進めて、信頼回復の道筋をつけてもらいたいものだ。

{記入は10/13}