読書録

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メディアの驕り 

メディアの驕り (新潮新書)

メディアの驕り (新潮新書)

 はじめにP5で、「自分の職場の中では絶対に正しいと思われている考えが、しばしばまちがっている。もう少し先入観を捨てて、広く世界をみようじゃないですか」という主張については同感です。p226で紹介している、元CBSのバーナー・ゴールドバーグの『バイアス』についても、機会があれば読んでみたいモノ。ラストの言葉p230「知的でメディアを批判できる若者たちは、硬直した平和観しか抱けぬ年配者よりも、はるかに実践的な平和観を持てるものだと信じている」もそうだろう。


 なお、リベラルやオバマ批判、中東情勢への見方など、いわゆるトランプ大統領的な考え方が散見された。さらに、いままで知らなかったことについて、いろいろ教えられた面もある。いくつか引用↓して備忘録に。
・日米の放送という文化と産業は、タイタニックから始まったといっても言い過ぎではない気がする(無線通信を受けたサーノフがNBC)p108
・BBCでドゴールの放送は録音しておらず、スタジオで再録したp134
・BBCは初めは民間会社、ジョン・リースで、1927年に放送法により公共放送の形にp141:番組作りの基本は3点p144で、情報を伝えること、教育を重視すること、大衆を楽しませること。
・1985年11月の冷戦から歴史的転換で粉雪の中、ジェニングス中継でキャスターの顔にp162、大事なのは信頼の逸話として重要p164
・中東を理解するのに『不毛地帯』p184+カエルとサソリの小噺(アネクドード)p208契約違反ありの中東、



新潮社のサイト→ https://www.shinchosha.co.jp/book/610726/
 


さらに、自分はこんなことを知っているのに・・という著者のトーンが強い印象で、タイトルの意味がそのまま著者に跳ね返ってくる逆説的な部分を感じたのは、自分だけだろうか。キャスター(モーニングワールドp172)をも経験し、そのために中東の勉強で大学まで学びに行った深さはあるとして、どうも書き方については、自慢話のようなエピソードが多くて、なんとも悲しくなった。


 最後に、CBSのエド・マローが亡くなったのは1965年4月で57歳。死因はタバコの吸い過ぎによる肺癌だったp114という。そろそろ喫煙・禁煙についても考えなければいけない、と言うことか・・




{2018/10/20-26読了、記入は10/27土曜}