読書録

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旅に出たナツメヤシ

旅に出たナツメヤシ

旅に出たナツメヤシ

旅に出たナツメヤシ (角川書店単行本)

旅に出たナツメヤシ (角川書店単行本)

 帯とサイトに「記憶の中の料理は、いつも世界の街角と結びついている。食エッセイ」とあるように、世界中で家族や友人にごはんを作って食べてきた著者が、世界各地の料理を、時代の記憶とともに描いている。田中美智太郎邸での芋てんぷらなど、さまざまな経験が、いまに生きているのだろう。


発刊したKADOKAWAのサイト→ http://www.kadokawa.co.jp/product/321605000311/
角川書店のサイト→ http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000311


 印象に残ったところをいくつか引用してメモ
◇p48:恋愛中は胸がいっぱいで食欲が減るなどというのは、あれは嘘だろう、と私は思う。恋愛は五感をすべて研ぎすます…センサーが全開になるからこそ、恋愛中は何を食べてもとびきり美味しく愛おしいのである。

◇p98:自分の大好きなものや人が、多くの他者に愛されているときに抱く、あの小さな嫉妬心。多くの他者と「それ」や「その人」を共有しなければいけないときに抱く、あの小さな疎外感。…それでもやはり、幸せなことなのだ、と、自らに潜む「小人物の心」に無理やり蓋をする。

◇p280:ごはんの記憶は人の記憶。人生のそれぞれの段階で食卓を共にした人たちの「あの時」「あの顔」「あの声」がいっぱいに詰まった鞄がある限り、この人生、きっと大丈夫、なんとかなりそうだ、と思うことができる。


 本著に紹介されている料理のうち、自分の記憶に残っているのはベトナムの「フォ」ぐらいだろうか。まだまだ知らない世界の料理を、いろいろな場面で味わってみたい。


{2017/7/19-22読了、記入は29土}