読書録

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マーケティングに強くなる ちくま新書 1232

マーケティングに強くなる (ちくま新書1232)

マーケティングに強くなる (ちくま新書1232)


 コトラー教授の『マーケティング・マネージメント』の1967年初版から2016年時点での第16版の章立ての変化(p26〜)から、1980年以降のポーター教授による競争優位性の視点(p32)が入り、2006年以降のケラー教授が加わりブランド論の登場、さらにネット社会への移行に伴う「マーケティング3.0」という「協働(参加の時代で一般の人々)、パラドックス(グローバル化ナショナリズム・政治、経済、社会文化)、スピチュアル(創造的社会)という3つの柱」(p39)が重要になってきているとする。
 マーケティングは、一日あれば学べるが、使いこなすには一生かかるというコトラー教授の言葉(p186)を紹介しているが、まさにさまざまな商品、サービスについて、何が受け入れられヒットするのか、なかなか難しいのだろうと思う。


発刊した筑摩書房のサイトに目次あり⇒ http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480069351/


 備忘録的にポイントを以下引用して紹介
◇IMDによる国際競争力のランキングで、日本は1990年にはトップが、2016年には26位、デザインで遅れる、p15
◇プル戦略:消費財メーカーが消費者への広告などにより直接情報を伝達し、自社ブランドに対する要望を発してもらい、消費者の側から売り上げを引っ張ってもらうという考え方p66
◇名言されるニーズを遮断する考え方と対応(p74)
1)仕方ない⇒諦めない、2)当たり前だ⇒否定する、3)我慢すべきだ⇒解き放つ、4)それは無理だ⇒挑戦する、5)通念になっている⇒批判する
マーケティングの醍醐味は、新製品や新サービスによる新市場の開拓であり、人々に感動や驚きをもたらすことp93

◇成長マトリクス:既存市場内か新か縦軸、提供が既存範囲内か新か横軸で、市場浸透、新製品開発、市場開拓、多角化p126⇒縦軸をビジネスチャンス、横軸を顧客ニーズとし、コア、隣接、ホワイトに加え、アナザースペースp134
⇒★ポメラの開発(隣接・スキマ)は、大半が反対する中で、一人の役員が「私は絶対欲しい」で進んだというp139
+既存の技術だけでも、組み合わせ、絞り込み、拡大、縮小、並べ替えで課題を解決することができるp140

◇ヒットに貢献するブランド要素は、「ネーム」が78.2%と圧倒的に高く、スローガンとパッケージが20%台
+良いネームの条件として、シンプルで発音しやすい、親しみやすくて耳を有している、差別化されてユニークp142

◇ルメット教授による悪い戦略の特徴は、空疎、重大な問題からの回避、目標と戦略の取り違え、間違った戦略目標の提示(p157)で、戦略構築のステップとして、1)診断、2)基本方針の打ち出し、3)行動の明示(157-p168)
マッキンゼーの7S(構造、システム、スタイル、スキル、スタッフ、共有された価値観、戦略)p172

コトラー教授のデザイン概念(p196)
1)パッケージの開閉が容易、2)組み立てが簡単、3)使い方がすぐわかる、4)使いやすい、5)修理しやすい、6)処分しやすい

  1. 審美的、機能的、人間工学的 3つの属性で消費者の観点から捉える考え方もp193

◇著者らによる、自動車メーカーへのインタビューを通した製品デザインの8要素
審美性、継続性、先進性、安全性、快楽性、機能性、操作性、独自性


 日本経済新聞の今月3/11朝刊書評に掲載されていた本著で、 これらの考え方は、様々なサービス展開にとっても考えるべき要素だと思う。マーケティングについてさらに学びながら、使いこなしたいものだ。

{2017/3/12-14読了、記入は19日}