読書録

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クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する

クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する

クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する

 5年前に出版された本著だが、先に読んだ『吉越式クラウド仕事術』 吉越 浩一郎( http://d.hatena.ne.jp/MrBooPapa/20160605 )も同じ時期で、この頃、急速に普及してきたクラウドの活用に関心が集まったということか。


 こちらは各章ごとに「まとめ」も掲載され、理解しやすい内容となっているが、日本企業が閉鎖的なためにそれほど利用されていない(p270)という状況は、どれだけ変化しただろう。セキュリティの面から自社内のシステムにこだわるという発想がさらに強まっている印象もあるが、著者がいうように「インターネットにある無限の資源を使う」というクラウド時代に適合した考え方(p263)も重要だと思う。


 マッシュアップ(=混ぜ合わせるp248)というグーグルマップなどプラットフォームを利用して付加価値を与えるという手法も、どんどん取り入れた良いと考える。検索とメールと地図はグーグルが事実上の世界標準(p244)という状況は、スマホの普及でますます広がっている印象をうけるし、2009年のエコポイントシステム構築でセールスフォースが用いられて1か月でできた(p246)というスピード感は、変化の早い時代にとても重要だと思う。


 ITと民主主義と市場経済は分かちがたく結びつき「マスメディアの役割は公共圏の形成だ」という主張が既得権の保護になりかねないという批判(p292)や、大学教育の根幹が問われているという指摘など、クラウドの進展で課題を考えていく必要が増しているのはその通りだと思う。


出版した講談社のサイトに目次あり⇒ http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062172899


 このほかいくつか備忘録としてポイントを以下に引用
◇音声メモは処理が大変で使い物にならず、まずは分類せず並べて検索できるようにしておくこと。「コウモリ問題」という複数の属性でどちらかで分類するとあとで見いだせなくなるため。「内容で分類せず、時間軸に並べる」のが基本p89
◇「ドッペルゲンガ(分身)・シンドローム」という正本を複数作って修復が難しくなることを避けるため、同期の手続きをするp104
◇自家製ブックマークの提言:URLリストを作り,Gメールで自分あてに送るかエバーノートに格納する+ラベルをつけるp115
◇入力の速さと一覧性では紙がだ断然優れているが、紙のメモはできるだけ早くPCに入力して編集をする、もしくは写真にとって保存するp165
クラウドからアイデアが生まれるわけではなく、生まれやすい環境を整備すること。散歩や知的な人々との会話、発信など工夫p199
◇ニューヨークタイムス電子版は19世紀からの記事が無料で無られるが日本の電子新聞は貧弱。紙メディアの重要な役割は情報のプッシュで、ニュースの重要性を伝えることp235


 この読書録で「整理」というカテゴリを作りつつ、なかなかうまくできないのは、なんとかしないといけない。しかしこれだけデジタル化が進むと、さまざまなツールが使えるだけに、工夫をしていきたい。


{2016/06/11-24読了、記入は7/2}