読書録

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人はなぜ裏切りに目をつぶるのか

人はなぜ裏切りに目をつぶるのか――心の奥では知っているのに自分をだます理由 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-6)

人はなぜ裏切りに目をつぶるのか――心の奥では知っているのに自分をだます理由 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ II-6)


 児童虐待や不倫、差別など、重い課題のケースがたくさん出てくるので、結構しんどいなぁと読み進めていたところ、第13章で、著者自身の両親とのさまざまなトラブルから立ち直った過程が詳しく描かれていたので、著者の問題意識と対処について、なるほどと得心した部分があった。


 “裏切り”という意味では、今週、不倫関連で、ファンキー加藤さん、円楽さん、ベッキーさんの会見と続いているほか、舛添東京都知事の政治と金をめぐる問題が、メディアを賑わせて続けている。

 
出版した亜紀書房のサイト⇒ http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=743

はてなぶろぐの「本を熱いうちに読むブログ」に一部内容紹介あり→ http://arigatoubook.hatenablog.com/entry/2015/12/29/180000


 この読書録、はてなダイヤリーの進化系のはてなブログに、うまく内容をまとめた記事がアップされていたので、上記にリンク先を紹介。これって、トラックバックで表示されることになるのか…最近では、トラックバックという言葉自体をあまり聞かなくなり、やり方も忘れてしまったので、ご容赦下さい。


 本著の内容で印象に残ったポイントや言葉をいくつか下記に引用
ストックホルム症候群(p65) 銀行員が集団で人質になったが多くが加害者であるテロリストを慕うようになるという矛盾した反応のことで、裏切りに目をつぶる特殊例。生き延びるために必要な存在と感じることで愛着感情が湧き、現実を歪める

◇p280:人は裏切りに目をつぶることで、苦しみを無視しようとする…意識的に裏切りに注意を払って不正を正せば、世界はもっと住みやすいところになるはずだ。

◇p294:裏切りは人を孤立させることがあるが、裏切りに立ち向かえば人は結びつくことができる。私たちの場合もそうだった。ジェーン・ドゥ記事に出合い、そして立ち向かってから20年が経ったが、私たちは今なおお互いについて学び、新しい発見をしている。

◇p304:健康な身体、協力的な関係、安全な環境での告白-たとえこのすべてがそろっていても、裏切りと裏切りに目をつぶることからの回復は簡単ではない。…(目をつぶることは、たしかにいきていくうえで役に立っている)…p307:要素が整ったと確信できたら、自分に優しくなろう。おそらくは困難な仕事になり、時間もかかるだろう。必要なだけ時間をかけることだ。このつらい時期だからこそ、美や喜びを感じる機会を持とう。人にはそれぞれの楽しみがある。自然のなかで過ごす、音楽を演奏したり聞いたりする、すばらしい本を読むなど、ぜひ試してほしい。


 ラストの引用などは、この読書録で記してきた、喪失感やメンタルのストレスから立ち直るグリーフケアなどにも通じるところがあるように思う。時間が解決してくれる部分があるのだろうけど、そこまで自分を保たないことにはどうにもならない。

 また、市川海老蔵さんが、妻の小林麻央さんが乳がんで1年8か月前から入院・闘病中であることを、スポーツ報知6/9(木)朝刊の記事を受けて会見で明らかにしたが、大変な状況にある中で、その対応や言葉には、強い愛と絆が感じられた。一日も早いご回復を祈りたい。


{2016/5/31-6/10読了、記入は11}