読書録

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衆愚の病理 (新潮新書)

衆愚の病理 (新潮新書)

衆愚の病理 (新潮新書)

新潮45」に掲載された内容を加筆・修正した本著では、民主主義は諸悪の根源で、「陛下と自衛隊に大権を返上すべきだp177」と書かれ、どこまで本気なのか、ショック療法を狙ったのか、よくわからない。鳩山由紀夫元総理を随所でとことん批判している姿勢というのは、いかがなものかという印象を受けるが、ほぼ同世代の方で、国立がんセンター中央病院内科などで医師としてご活躍されたようなので、その思考過程に興味は覚えた。


共感できるエピソードとしては、以下に概要を引用してメモとしたい。
◇がんセンターの初診窓口で、患者から「意思表示書」を、敗戦処理のリスク回避で導入しようという動きがあった際に、反対したp27〜
アメリカの教育ビデオの「良くないニュースを伝える」シリーズで、重大なミスをした時の対処は「逃げない」ことp74
◇チェックすべき「異常」や、アクションを起こすべき「チェックポイント」がどんどん厳密になり、「動きすぎ」の方が目立つようになったp82
◇就職活動で「リーダーシップがある」ことの記載が増えたが、院長は名医にあらず、良い医者を厚遇するのに管理職にしてくのは愚策。技術が埋もれてしまう。p144〜
◇『「新型うつ病」のデタラメ』(中嶋聡著)で、自責観念がなくて多罰的な仕事の失敗、失恋からくる「抑うつ体験反応」は本来「偏奇」で、疾病とは区別されるべき。でないとうつ病患者が増加する。p154
◇極論すると、すべての悪は処罰の対象ではなく治療こそすべきという結論になるが・p170
◇「まずいのは、そんな奴が言っても「それについては絶対的に正しい」もしくは「間違っている」という態度であるp180」←これをわかっていながら論を進めているので、受け狙いと考える次第。


{3/5-10読了、記入は16}