読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

プロの知的生産術 BCG前日本代表が教える情報活用の秘訣

「情報整理ができなくても、情報活用ができるようになろう」「自分の軸を持って、意見を言える、あるいはアイディアを提案にまとめることができる人間をめざそう」(p234)を、」著者は本書でめざしたという。

KJ法や京大式など、自分もいろいろ試みてきたが、そのうえで到達した著者の結論というのは、なるほどと共感できる。ただ、あまたの中に仮想の20のひきだしをもつというノウハウは、著者だからできるのであって、どうもできそうにない。

むしろ、情報を網羅的に集めすぎず(集めても差別化は図れないから)、「スピード感」と「好きな情報を集めてひらめき」というところは、大いに参考にしたい。


本著についての概要は、出版したPHP研究所のサイト⇒ http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-79879-0 を紹介。


グーグルで本著を検索すると上位に表示されたブログには、要点がわかりやすく書かれていたが、こういう「ブクペ」というサービスがあるのを、今回初めて知った。ユニークユーザー数20万人とサイトに記載があり、確かに便利ではあり、それこそ本著がいう「整理」はまかせてしまうことができるが、著作権法上、今後、どう発展していくか、それこそ10月19日に記載した「キャズム」を乗り越えられるのか、注目したい⇒ http://bukupe.com/summary/1980


こうした要約がネットに出てきたら、これを著者も利用しているさまざまなデバイス(テキストエディタ、Gメール、エバーノート、ドロップボックス)を駆使して、クラウドに張り付けておけば、情報の引き出しとして利用できるわけだが、それにしても、著者が使っている文具類は、なかなかのもの。見ているだけで楽しくなるし、よくこれだけ新しいものにすぐ手をだしているなあと、感心した。ポメラも含めて、ほぼ同じような道具・ソフトは使っているのでなんとなく嬉しくなったが、ロディアのメモ帳とキングジムの「ショットノート」は知らなかった。ただ自分の字が汚いため、試すかどうかは微妙。


なおここまで書いてきて、人の要約ではやはり自分の身につかないような気してきたので、印象に残ったポイントの概略を7項目、下に記す。
◇自分自身の問題意識と結び付いて思わぬひらめき「スパーク」を生むのが情報収集の意味で、「使える」視点より「面白い」という視点で、自分の興味の赴くままに情報を集める。集めた情報はしばらく「放置して熟成させる」のも手。異常値を発見したら深堀りにして、問題の本質にたどりつくことも。
◇情報化時代にむやみに情報を集めても情報洪水に溺れ、「情報は集めるな、覚えるな、整理するな」で、いかに少ない情報で早く決断するのかがポイント。意思決定のための優れた情報は不確実性を減らす。限られた情報で勝負をするしかない。「現在のように時間が勝負の時代には、他人より速く意思決定をして新しいことができる、ということそのものが強みになる(p74)」
◇仕事も思考も「勢い」が大事で、そこにストレスを感じさせない文具・道具は必要。
◇一次情報が何より大事、直接見聞きした情報というのは圧倒的に強く、細かいニュアンスも伝わるので、現場に行き人と会って話す。
◇努力したのは発信の仕方、レポートの書き方で順番、構成から細部まで。
◇本は、著者の文脈は無視して、自分にとって役立つか面白いかという視点で、印をつけたり書き込みをしたりして頭の中に入れていく。
◇p208:楽天ソフトバンクなどの新興企業に勤める人間から、時間こそが競争優位の源泉であるから、できるだけ素早い意思決定をして、もし間違えたらやり直せばよいという意見がでることもある。それに対して、伝統的な大企業の人間からはリスクはどう回避するのか、あるいはどうやって上を説得するのかなどの質問が出る。ところが、ベンチャーではトップ自らがそういう意思決定をするので、そもそもの質問に意味がない…

そんなに急いでどこへ行く?というかつてのコピーを思い出しつつも、今の時代、このスピード感が大切なのだとつくづく思う。

{10/21-26読了、記入は11/4}