読書録

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野村総合研究所はこうして紙を無くした!

野村総合研究所はこうして紙を無くした! (アスキー新書)

野村総合研究所はこうして紙を無くした! (アスキー新書)

2005年4月に、ペーパーレスではなくノンペーパーという概念を導入して、働き方のスタイルをも変革して紙を無くしたという成功談が描かれている。

この推進活動の4つの指針として、A整理整頓、Bオフィス改善、C会議効率化、D情報共有化、を打ち出し、例えばCでは、1事前にアジェンダを設定、2事前に会議資料を配布、3議事進行にあわせて議事録を作成、4会議終了後決めたことや修正事項をまとめた議事録を速やかに送付、という4原則を徹底したという。

このなかで、サーバーの中の整理整頓が重要だが難しい(p122)としているが、自分の回りでも、どう整理するかというのが課題で、なかなかいいアイディアがない。

一方、組織としてこの問題を解決できた要素として、p174にまとめがあり、以下をあげている。
・現場でハブとなっている人材を選ぶ(その人材が反対意見を持っていたとしても)
・適切な競争意識の醸成(競争がなければ前進しない)
・問題意識をつなげる(問題は現場にある)
・小さな成功に焦点を当てる(小さな成功も積み上げれば大きな変革の種となる)
・適切なシンボルの設定(トップのコミットメントと方策の自由度を確保する)

さらに、組織の硬直性を克服するつながりの重要性として、
p179:業務yを離れたインフォーマルなつながりを醸成することが必要不可欠なのである。・・より業務と直接関わりのない部分で新しい関係作りを行うことが、新しい価値観への転換を進める原動力となる可能性が高いのではないだろうか。
ということを指摘し、そのための手段として、社内SNSの意義や、モバイルITなどを活用することを提言している。

技術的には、複合プリンターによる認証システムや、すぐに捨てることのできる「かえる箱(たまって箱)」、海外の電子黒板メーカーの画面共有システムなど、さまざまなツールが出てくるけれど、結局はそれを産み出す発想ができるかというところに、鍵があるのだろう。

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