読書録

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ストロベリーライフ

ストロベリーライフ

ストロベリーライフ

 去年(2016年)7月19日に発表された第155回直木賞に決まった著者の受賞第一作となる本著では、東京で暮らすグラフィックデザイナーの主人公・望月恵介と、手のパーツタレントだった妻の美月、5歳の銀河、3人の家族が、父が倒れて静岡のイチゴ農家を手伝いながら継ぐかどうかをめぐって、家族の物語が展開していく。

 ラストはハッピーエンドで、ほっとするところあったが、農作業の細かい描写については、自分の関心の度合いもあると思うのだが、結構スピーディにページをめくってしまったというのが正直なところ。プロポーズの言葉の伏線や、この本とタイトルが同じブログで心情を把握していたことなど、夫婦のやりとりが、微笑ましかった。


◇発刊した毎日新聞出版社のサイト⇒ http://mainichibooks.com/books/novel-critic/post-339.html

フェイスブックのページ⇒ https://www.facebook.com/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%99%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95-%E8%8D%BB%E5%8E%9F%E6%B5%A9%E8%91%97-279232665792036/

◇日経スタイルの書評⇒ http://style.nikkei.com/article/DGXKZO10257630T01C16A2MY6001?channel=DF130120166021

◇著者のインタビュー記事(ほんのひきだし サイトから)⇒ http://hon-hikidashi.jp/enjoy/18793/


 ネタバレになるので注意ながら、印象に残った言葉や逸話を一部引用して以下に。
◇妻「あなたと同じ夢を私にも見ろっていうの?」…夢に夫も妻もない。女も男もない。夢はみんなに平等だp192
◇「モノ」を売る時に大切なのは、品質やサービスの内容やコストパフォーマンスだが、どんなに良いモノでも存在を知られなければ意味がないp296
◇「ブログも書いてね」…「閲覧数を増やすには、同時進行のドラマが必要なんだよ。露天商と同じさ。焼きそばをつくり置きするより、少しずつつくって匂いや音を立て続けたほうが、お客さんが集まる」p298
◇夫が言うつもり p339 「離れ離れで暮らそう」…「でも、家族でいてくれ」
p341:美月がいたから、いまの俺がある。恵介はそう思っている。美月は俺の女神なのだ。けっして手放すわけにはいかない。
◇妻は忘れない広告のCMソングのさび p343 「いっしょに行こう、この世の涯(はて)まで」
妻は言うつもり「やっぱり一緒に住もう。家族だから一緒にいよう」


 こうした夫婦で、うまくいかないことも多いのではないかとも思うのだが、最後に心情が寄り添えたのは、本のタイトルと同じブログで、夫が心情を綴っていたからなのだろうか?書評にある農業の明るい未来よりも、そちらの方に興味をもった。


{2017/3/24-25読了、記入は26日曜}