読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義

スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義

スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義

 とても刺激を受けることができた本。章ごとに“課題”があり、大学の授業とレポート作成の宿題を受けているような形で、生き方についても考えることができました。


 6月1日からは今年から就職活動解禁で、面接が始まったが、本著で人を見極める質問として、
◇「あなたは何者ですか」という単純な質問から始めると、何を目指しているか暴きやる気に源泉がわかる(p89)
◇必ず最初に「あなたの物語を聴かせて下さい」というと、世の中をどう見ているか、自分自身をどう思っているかわかる(p187)というのは、自分がもし聞かれたと想定した場合も、自分をさらけ出すしかなくんるような気がする
 

出版したCCCメディアハウスのサイトに目次や読者への手紙あり→ http://books.cccmh.co.jp/list/detail/1814/


 本著の骨格は、出版社のサイトに目次の章立てに紹介されている順に次を生み出す階層構造になっていて、p21に定義が、p26に必要な姿勢と(+)行動が簡単に示されている。全体でこれらの4つの要素を、証言や例をあげながら詳しく解説している。p157にこれらを再度まとめた記述あり⇒

◇想像力:存在していないものをイメージする力←何か一つのものにどっぷり浸かる+今ある代替を思い描ける

◇クリエイティビリティ:想像力を駆使して課題を解決する力←やる気を高める+実験の繰り返し

イノベーション:クリエイティビリティを発揮して独創的な解決策を編み出す←フォーカスする+捉えなおす(フレームを変える)

起業家精神イノベーションを活用してユニークなアイデアを形にし、他の人達の想像力をかきたてる←粘り強く続ける+他の人を巻き込む


 とても盛りだくさんの内容で、印象に残ったポイントをいくつか引用
 
ペンシルバニア大学想像力研究所のスコット・バリー・カウフマン科学部長の話として、ひらめきを得やすくなるには、積極的に新しい経験をする、いつも前向きな姿勢でいる、お手本を身近に持ち、日々の生活の中でひらめきを意識することだという。これは企業でも必要で、著者はグーグルのラリー・ペイジによる月面着陸プロジェクト「ムーンショット」に言及。想像力の本質は、「明確なビジョンをもつこと」(p75)の大切さを説く。


◇やる気を引き出す鍵は、ダニエル・ピンク『モチベーション3.0』を引用し、自律性、熟達(マスタリー:挫折するほど難しくないが挑戦しがいのある課題を克服)、目的の3つ(p81)をあげる+障害を乗り越えるのは自分のやる気しかない(p83)


◇「フレームを変えて脳に刷り込む」という具体例として、デザイナーが妻を許すために、パスワードをForgive@h3r「彼女を許そう」に変えて癒され、禁煙やタイ旅行への貯金も同様に可能になったという(p142)。また、ザンダー共著『人生が変わる発想力』の中から面白い小噺として、靴メーカーがアフリカにマーケティング担当2人を派遣したところ、靴を履いていない状況を見て、1人は絶望的といい、2人目は「素晴らしビジネスチャンス」ととらえたという(p156)が、これらの話は、メンタルで悩む人にとっても、認知を変えるわかりやすい例として、引用で使える話だと思う。どこかで読んだような気もするが、ちょっと思い出せない。

 
◇偉業をなしとげた人たちは、例外なく否定された経験があるが、あきらめずに目標に向かって走り続けることができた人たち(p173)


◇周りを巻き込み影響力を拡大するモデルとして、「増殖型リーダー」=課題を与え議論活発に、部下が当事者意識を持ち、活躍すればその人の手柄により、モラルやモチベーションが大幅に高まる。対極は「消耗型リーダー」で、部下に指示して厳格に管理、あらゆる決定を自分で行い創造力を封じ込める(p184)+会社の存在意義やなぜ必要で重要な仕事なのかを説明するため「物語」が必要(p185)だという。物語の重要性は、この読書録でもこれまで何度か触れてきたが、ストーリーの大切さは、いまや共通の認識なのかもしれない。本著では加えて、物語は理解しやすく、意外性があって、信じられるとともに心を揺さぶられなければならない、(p186)と解説している。この文脈で、先に書いた就職希望者への著者の面接の最初の一言が出てくる。


◇劇作家のケン・アダムスが最初にまとめた「物語の骨組み」が単純で使いやすいと紹介(p193)
・昔むかし…状況を説明
・毎日…さらに細かく説明
・ところがある日…習慣を打ち破る出来事
・その結果1〜3
・ついに…クライマックス
・それ以来…しめくくり
物語論は外でも見聞きした覚えはあるが、確かにわかりやすく、プレゼンテーションでも使える手法ではある。バーびテストとして、面識のない人に言葉でアイデアを披露して、その反応を見て意見をもらうというのが、物語が効果的かどうかを確認できる方法とのこと。


◇ロバート・チャルディーニによる『影響力の武器』による、人を動かす6つのアプローチp199⇒
報恩、一貫性、社会的な証明、好意、権威、稀少性
+補完として、オリビア・フォックス・カバンによる『カリスマは誰でもなれる』から、「集中力」「やさしさ」「威厳」(p202)


 本著に書かれていることを意識して、あらゆることを貪欲に吸収しながら前を向いて歩んでいきたい。

{2016/05/24-27読了、記入は6/4}