読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

舟を編む

舟を編む

舟を編む

2012年の本屋大賞第1位の本作、ようやく読んだが、とても面白く引き込まれた。先に読んだ『日本語ふしぎ探検』( http://d.hatena.ne.jp/MrBooPapa/20150511 )の中で、モデルについても触れられていたが、本著は『大渡海』を「海を渡るにふさわしい舟を編む」(p27)とのこと。
登場人物のうち、主人公の馬締と香具矢は、目的をもって一生懸命取り組む姿が個性的かつ素晴らしい一方、夢中になるものが見つからない西岡や、入社3年目の岸辺が、歳月を越えて隠し引継ぎファイルでつながるストーリーが、とても印象に残った。


出版した光文社の特設サイト⇒ http://www.kobunsha.com/special/shiwon/funewoamu/


印象に残った岸辺の言葉から引用
p185:(ラブレターを見て)人間関係がうまくいくか不安で、辞書をちゃんと編纂できるか不安で、だからこそ必死であがく。言葉ではなかなか伝わらない。通じあえないことに焦れて、だけど結局は、心を映した不器用な言葉を、勇気をもって差し出すほかない。相手が受け止めてくれるよう願って。

p213:なにかを生みだすためには、言葉がいる…ひとのなかにも、同じような海がある。そこに言葉という落雷があってはじめて、すべては生まれてくる。愛も、心も、言葉によって象られ、昏い海から浮かび上がってくる。


{6/13-20読了、記入は7/4}