読書録

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ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲

この面白さは何なのだろう。テレビドラマでは、子会社への出向でいったん終わったが、その続きとして、「倍返し」の半沢直樹の活躍が再び描かれる。最後は正義が勝つ、というような水戸黄門的な爽快感、組織内の論理より何が正しいかを考える生き方、伏線の置き方の巧みさなど、一気に引き込まれて読んだ。今回はハッピーエンドでもあり、スカッとする読後感もある。それにしても、テレビドラマによる俳優の印象が強いと、頭の中で主人公のセリフが、あたかも堺雅人さんが話しているかのように頭に浮かんでしまうし、頭取や同期なども、映像が浮かびながら読むというのも、なんだか不思議な印象ではあった。一度読んで、ストーリーを知っても、ぜひまた、同じキャストでドラマを見たいと思うのは自分だけだろうか。

なお、タイトルのロスジェネは、「ロスト・ジェネレーション」で、p25に、バブル崩壊後の不景気だった1994-2004年にわたる就職氷河期に世に出た若者たちのことを、のちに某全国紙の命名によると紹介している。


出版したダイヤモンド社のサイト⇒ http://www.diamond.co.jp/book/9784478020500.html
ドラマ「半沢直樹」の続編、ロスジェネの逆襲 の キャスト・ストーリー NAVERまとめ⇒ http://matome.naver.jp/odai/2140127914168989201
←こういうまとめがあると、思い起こすのにはとても便利ではある・・・


感動した半沢直樹の言葉の引用を以下に。
・p159:どんな世代でも、会社という組織にあぐらを掻いている奴は敵だ。内向きの発想で人事にうつつを抜かし、往々にして本来の目的を見失う、そういう奴らが会社を腐らせる
・p231:サラリーマンはーいや、サラリーマンだけじゃなくて全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。会社の大小なんて関係ない。知名度も。オレたちが追求すべきは看板じゃなく、中味だ。
・p326:どんな小さな会社でも、あるいは自営業みたいな仕事であっても、自分の仕事にプライドを持てるかどうかが、一番重要なことだと思うんだ。結局のところ、好きな仕事に誇りを持ってやっていられれば、オレは幸せだと思う。
・p366:(信念は?)簡単なことさ、正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ、それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。そんな当たり前のことさえ、いまの組織にはできていない。だからダメなんだ。
・p367:(原因は?)自分のために仕事をしているからだ…仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る。わかるか?
・そしてオレも戦う。誰かが、そうやって戦っている以上、世の中は捨てたもんじゃない。そう信じることが大切なんじゃないだろうか


録画したテレビドラマは、モヤモヤした時など、半沢直樹が形勢逆転する場面を何度か見返すことがあるが、すっきりとした気分になる。著者の作品は今回読むのが初めてだが、こうしたリアリティがあり、元気が出てくるストーリーというのが、小説でもドラマでも、閉塞感の漂う今の時代、心情的に求めてしまうのかも知れない。

{1/13-16読了、記入は17}