IT Text(一般教育シリーズ) 情報とネットワーク社会 (IT Text)
- 作者: 駒谷昇一,山川修,中西通雄,北上始,佐々木整,湯瀬裕昭
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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インターネットが発達した今の「情報社会」を俯瞰して立ち止まって考えるにはよいテキスト。
“演習問題”までついているので、これは、今、大学で教えている内容なのだろうか?
第一章の目次を一部引用して、論点を紹介する。
1−1:身近な変化として
1.携帯電話の多機能化、2.メディアのソーシャル化、3.通信と放送の融合、4.ユビキタス社会への移行、をあげる。
1−2:考え方の変化として、
1.コピーライトからコピーレフトへ、2.再びプロフューマへ、3.知のあり方の変化、4.我々の生活を制限するあり方の変化
1−3:問題として
1.情報システムのリスク、2.情報格差(デジタル・デバイド)、3.個人情報の保護、4.情報爆発、について説明している。
1−4:見方として
1.生産技術革命、2.コミュニケーション技術革命、3.監視社会、と明るい側面2つと負の側面1つを紹介。
このうち、特に興味深く感じたのは、知のあり方の変化で、「検索」と「共有」によって、知っていることはそれほど重要ではなく、知っていることをいかに組み合わせて新しいものを作り出すかが重要になっているということ。ソーシャルメディアの発達により、情報の質の多様性が増し、誤解や偏見に基づいた質の低い情報から、マスメディアより質の高い情報も存在するということを改めて認識。
加えて、コピーレフトとの関連で、KARAや少女時代など韓国系のエンターテイメントが隆盛で、日本は厳しい状況にあるのは、CDや音楽の著作権のネット流通への対応が、韓国は市場が狭いだけにゆるくして世界にうって出ているからで、ここを日本も何とかすべきという話を耳にしたことを思い出した。アンドロイド系も動画のフラッシュ対応を外す背景に、グーグルがアドビ対応に怒っていることなど、デバイスをめぐってもめまぐるしく変化しているだけに、何がどうなっているのか、きちんと見ていく必要がある。
{8/23読了、記入は25}