- 作者: 江川紹子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: 新書
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テレビで活躍している著者の本を読むのは、今回が初めて。このジュニア新書シリーズならではの柔らかいタッチとわかりやすさで、著者の反戦や命の尊さへの思いが伝わってくる。勇気をもって発言することの大切さ、随所で感じさせられることがあった。
恥ずかしながら、当時批判を受けた山本譲司さんや高遠菜穂子さんが、その後辿った話は、知らなかった。
とりわけ、高遠さんには人質になったのは自己責任だというバッシングがあった中で、著者はコリン・パウエル国務長官の話として次を引用→「私は今回、日本の民間人が、あえてリスクを負って大事な使命を果たそうとしたことに感銘を受けました。日本の人たちは、リスクを負って自ら動いた民間人に対しても、イラクに派遣された自衛隊員についても、誇りに思ってもらいたい。・・私たちは彼らの身を案じ、彼らを救い出すためにあらゆることをやらなくてはなりません。彼らは我々の仲間ですし、皆さんの同胞なんですから」 この部分は特に印象に残った。
(目次ー引用)
1 自分に正直に―野口健さん;
→エベレスト登山失敗ののち達成も、チベット問題を発言し始める
2 過ちと向き合って―山本譲司さん;
→刑務所に実際に収監されて、実体験を本にし、改革に取り組む
3 柔軟に考える―蓮池透さん;
→日本の立場だけでなく相手の立場にも立つ複眼的な視点が必要と考え、拉致被害者の会と距離をおくように
4 信念をつらぬく―仙波敏郎さん;
→警察の裏金を告発
p115:「生きていたからこそ、こんなふうに充実した時間と人との出会いがありました。どんなに苦しくて、死んでしまいたいと思っても、生きていれば必ず「生きていてよかった」と思える時が来ます。まさに僕はそうなんです」
5 「命」にこだわって―高遠菜穂子さん;
p128:「死を恐れて一日でも長く生きるということに全力を傾けるのではなく、今の命を100%生ききる方が理想だな、と思うようになりました」
→『戦争と平和-それでもイラク人を嫌いになれない』(2004年)
p154:(勇気について)「何だろう・・結局は、自分の信じたことにこだわることではないかな」
6 暴力を止める声―イスラエルの人びと
p201:「圧倒的な権力を持てば、倫理観は崩れていきます。それが人間というものです。例外はありません・・日常的に人権侵害が起きるのが、占領なんです」
{2/12-14読了、記入は17}