ヤングアダルトという分野から味わいのある短編が集められていて面白かった。有島武郎の小さき者へを読むのは、それこそ20以上前以来だと思うが、親の子に対する思い、が、今ようやくわかりかけてきたということだろうか。
10編の中では、恩田さんの『飛び出す、絵本』、が、なかなか懐かしい作品群がたくさんでてきて、その紹介の一言が面白く、気に入った。物静かな性格ながら寿命はながい『ちいさなおうち』やんちゃな『いやいやえん』なんて、いつごろ読んだのかよく覚えていないが、子どもへの読み聞かせではなく、自分が小さなころ楽しんだ思い出がかすかながら思い浮かぶ。
(目次−引用)
サラマンダー: いしいしんじ著 ,
おどる洗たく虫: 魚住直子著 ,
飛び出す、絵本: 恩田陸著 ,
「共栄ハイツ305」杉並区久我山2−9−××: 角田光代著 ,
真夜中のタクシー: 鷺沢萠著 ,
p81:もっと言うなら、「したいこと」と「しなければいけないこと」は正反対のベクトルを持っていることが多く、共有している部分はたいていの場合はほんのわずかなものだと思う。だから、その違いを埋め合わせるために、あきらめるとか我慢するとかしなくてはならなくなる。
踊りたいけど踊れない: 寺山修司著 ,
タケヤブヤケタ: 梨屋アリエ著 ,
おれがはじめて見た、茜色の果実について: 楡井亜木子著 ,
{2/9-11読了、記入は2/19}