読書録

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君たちに明日はない

君たちに明日はない (新潮文庫)

君たちに明日はない (新潮文庫)

テレビのドラマが結構面白かったが、一部しか見ることができなかったので、今回、この本を読んで、ようやく主人公の村上真介と、森松ハウスの芹沢陽子との関係がわかった。ドラマは結構、原作に忠実な作りをしていたように思うし、坂口憲二田中美佐子も、とってもはまっていたと感じた。


現実にこうした会社があるのかどうかはわからないけど、リストラという厳しい状況のもとでも、人への愛情というか希望が持てる内容になっているのが、嬉しい。

旧友のパートで、奥さんに「自分が本当に好きな仕事に就いている人じゃないと、ずっと一緒にはやっていけないと思う」(p206)といわれながら結婚した後、銀行の合併で不遇な目にあい、新たに転職の決意を妻に語る「池田昌男」の話は、ドラマでもそうだったが、感じるところがあった。

本著の随所に、人のつながりや信頼ということについて、印象に残る言葉があった。
p350:人の輪が繋がり、広がっていく。包まれている。だから笑って泳ぐことができる。この世界を。

p416:つまるところイメージングなのだ。相手の立場になって付き合えるかどうか。そうすれば自然と涙は出る。飯だって奢る。その共感性の高さがつながりを密にする。相手を、信用させる。

なお、名古屋の忠犬サーブの話って、名古屋に住んでいたことがあるのに聞いたことがなく、そんなのあったのかなあ?と思ってぐぐってみたら、実話でした。

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