読書録

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『政権交代の内幕』 上杉隆 著

政権交代の内幕 (Voice select)

政権交代の内幕 (Voice select)

この本が発行されたのは、去年の10月。

民主政権誕生の背景について、自民党への嫌悪感が圧勝につながったとし、安倍、福田、麻生と続いた自民政権の不甲斐なさをエピソードも交えて解説する。

鳩山政権が取り組む予算の大幅な組み換えや、記者クラブの開放など、新たな方向性にも期待感があった当時の雰囲気が伝わってくる。

参院選を目の前にした今、鳩山政権の支持率が低落する中で、当時はこんなに違っていたのだと思い起こさせてくれる。

1993年のトラウマとして、社民や国民新党など少数政党に譲歩してでも政権維持を図るだろうという見通しも書かれていたが、普天間基地問題がここまで混迷すると思い描くのは難しかったと言うことか。不甲斐ないものを感じつつも、自民への嫌悪感も消えない中で、参院選はどのような結果になるのか?

懐かしいウェーバーの言葉なども本著に盛り込まれ、引用させて頂く。


p35:小沢氏の狙いは明確である。場合によっては、鳩山内閣を潰してもいい、是が非でも予算を三回通して、四年間政権を続ける。総理は何人代わっても構わない。その間、現在の官僚と自民党とマスコミが作っている政治システムを壊せば、「日本改造」が達成できると信じているのだ。

p46:「それは初めて聞きました。ありがとうございます」と行ってのける。この「知らないふり」が、周囲の情報を集める秘訣なのだ。

p98:パーキンソンの法則:第一法則「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」、第二法則「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」、凡俗法則「組織はどうでもいい物事に対して、不釣合なほど重点を置く」

p176:ウェーバーの職業としての政治より、「政治家にとっては、情熱-責任感-判断力の三つの資質がとくに重要である」「断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自身のある人間。そういう人間だけが政治への『天職』を持つ」

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