読書録

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『デジタルネイティブ』 三村忠史 倉又俊夫 共著

デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像 (生活人新書)

デジタルネイティブ―次代を変える若者たちの肖像 (生活人新書)

2008年11月10日に放送された『デジタルネイティブ』の制作担当者がまとめた本。

アメリカの作家、マーク・ブレンスキーが最初に使ったというこの言葉は、2001年、教育に関するレポートの中で、読書よりもテレビゲームに親しんでいる世代として、「もうそれまでの人類と違うものになっている。彼らは、複数のタスクを同時に処理し、情報を猛烈なスピードで受け取ることに慣れている」と紹介し、ゲームの有効な利用を呼びかけたと言う(p80)

本著の中で、さまざまなデジタルネイティブの例が示され、その中には、今読書録に使っている、このはてな近藤淳也さんも登場する。年齢的に無理があるかもしれないとしながらも、「フラットさ」の資質を備えていると評価している。

実際紹介されている はてなグループウェアでは、一般業務からプライベートなことまで情報が共有されているという。普通の会社組織からすると考えられないことではあるが、こうした会社が増えていくことが、著者の言うように、閉塞感を打破してよりよい社会を築いていけるなら良いと思うのだけれど。


p44:(ベン・バハリンによるデジタルネイティブの定義)基本的に1980年から2002年の間に生まれた人は誰でもこの年齢グループに入ります。・・新しい技術を理解して素早くなじむことにかけては、実際飛び抜けた能力を持っている。つまり技術適応性が非常に高い世代なんです。

p57:近藤淳也「へんな会社のつくり方」より:インターネットは「知恵の増殖装置」なのではないか
p60:近藤さんには「ネットの向こうの不特定多数を信じる」という「信念」がある。

p68:僕自身組織に属していて、「もっと情報を下におろしてくれたらいいのに」と思うことは日常茶飯事である。

p72:取材実感として、近藤さんだけでなく、デジタルネイティブたちは総じて物質的な欲が少なく、自分が好きな道を追求する傾向が強いように思う。だとすれば、経済至上主義の果てにいつしか社会を覆い尽くしてしまったこの閉塞感を、デジタルネイティブたちこそが打ち破っていく可能性を持っているのではないか。

p82:(カンファレンスで2018年には)現在のような特定のリーダーシップはなくなるでしょう。中央集権的な構造は崩れ、流動的な組織が求められます。それがデジタルネイティブの働き方なのです。

p87:伝統的なビジネスの世界や政府の組織などは、組織に属する人間が個人として情報を発信することを非常に警戒しますが、デジタルネイティブは自分たち自身が情報を提供することに価値を見いだしています。これからは企業と個人の境界はどんどんあいまいになっていくでしょう。

p97:デジタルネイティブの特徴として、ジョン・パフレイ教授は、インターネットの世界と現実の世界を区別しない、情報は無料だと考えている、という傾向があり、インターネット上のフラットな関係になじんでいるため、相手の地位や年齢、所属などにこだわらないという特質もあるという。

{図書館から借り5/6読了、記入も同日}