読書録

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『蒋経国と李登輝』 若林正丈 著

蒋経国と李登輝―「大陸国家」からの離陸? (現代アジアの肖像 5)

蒋経国と李登輝―「大陸国家」からの離陸? (現代アジアの肖像 5)

台湾の歴史を読み進めてきたが、戦後についてより詳しく知りたいと思い手に取る。
若林先生は台湾近現代史の専門家で著名な方だが、本書はむしろ、ジャーナリスティックにも読めた。
蒋介石は知っていたけど、蒋経国がロシア人の妻をめとり、特務機関畑を歩みながらも、実権を握りつつ徐々に台湾化を進めていったということは、この本で初めて知ることができた。

また、李登輝の歩みについてもよくわかったほか、「中華民国在台湾」イデオローグについて、司馬遼太郎さんとの対談や、コーネル大学での記念講演で、心情を吐露しているところには心をうたれた。「民の欲するところ常に我が心に」との施政の姿勢を共有したいと大陸の指導者に呼びかけた立場は、率直に素晴らしいと思う。

台湾は中国と統一すべきか独立すべきか という「統独問題」で、世論は50%から80%が現状維持ということで、この問題がいかに難しいか、改めて感じた。

{図書館で借り6/21読了、記入は7/2簡易}