読書録

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『台湾の歴史』 殷著 丸山勝訳

台湾の歴史―日台交渉の三百年

台湾の歴史―日台交渉の三百年

日台交渉の300年という副題で、日本と台湾の関係を台湾側から見た歴史として、複雑な思いがあることが伺えた。
また、台湾の雑誌にジャーナリストが書いた著作を単行本化したということから、分厚いのだけれど、コラムも含めて、物語として読みやすい。
日本軍の台湾進駐についても、台湾民主国ができて戦闘になり、容易ではなかったことがよくわかる。
蒋介石が、日本が強大になったのは陽明学の哲学を学んだからだと思っていたというエピソード、「知行合一」などは、知らなかった。

なお、ネットで話題になっている点については、以下の記述がある。
p333:当局が強制的な手段で無理やり日本人に同化させようとしたことから、原住民と植民地政府との間には絶えず衝突が起きている。
p345:1920年代に日本の植民地統治政策は、「一視同仁」を強調する同化主義へと方向を転換した。
p349:抗日戦争がはじまり、高圧的な「皇民化」政策が実施されるに及んで、中国語は全面禁止になった。
p375:総督府は強圧的な皇民化運動を強行し、・・台湾語を話すことを禁じ、・・家の中にあった祖先の位牌や神仏像を焼き捨て、和服で強制的に神社に参拝させて、日本の武運長久を祈らせたのだった。


(目次-引用)
第1部 きらめく水 果てしない海 1620―1840
(安平、あの日々―オランダ占領時代;根を張る鄭成功―明臣・鄭成功の時代;鄭王朝の没落―中国版図への編入 ほか);
p202:脱亜入欧をめざすには、どこかに植民地を占有し、その統治に成功する必要があった。

第2部 現代化、苦難の新しい道 1840―1895
(門をこじ開ける音―アヘン戦争;商品経済が生み出した風景―台湾開港;中日力関係の逆転―牡丹社事件 ほか);


第3部 サヨナラ植民地 1895―1945
(割譲へ、最後の抵抗―日本軍進駐;密植深耕の南進基地―初期の日本統治;苦いサトウキビ―日本占領時代第2期 ほか)


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