読書録

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『裁判官の爆笑お言葉集』 長嶺超輝 著

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

裁判員制度が始まろうとしている中で、裁判について考えさせてくれる、とてもタイムリーな本になったのでしょう。
著者の略歴に、司法試験で7回不合格を重ねて懲りると書かれていましたが、裁判官や司法への温かい目を感じることができました。
また、司法をめぐる著作が相次いだことはとても良かったのか?、むしろこういう人に裁判官になってもらいたいとも思います。

ただ、著者が触れているように、本来は司法の独立なのに、国の方針に逆らったり、無罪判決を出したりすると、その裁判官は出世できなくなるということであれば、とても悲しいですね。こういう著者を呼んで、裁判官に研修をするようになると、もっと人情味の溢れる裁判が増えるのかも知れませんね・・。


(扉)
「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい」(死刑判決言い渡しの後で)。裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、と思っていたら大間違い。ダジャレあり、ツッコミあり、説教あり。スピーディーに一件でも多く判決を出すことが評価される世界で、六法全書を脇におき、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。これを読めば裁判員になるのも待ち遠しい。


(目次-引用)
第1章 死刑か無期か?―裁判長も迷ってる;
p38:いい加減、これっきりにしてください


第2章 あんた、いいかげんにしなさいよ―あまりに呆れた被告人たち;
p50:タクシー乗務員には、雲助まがいの者や・・・1999/10/18 京都地裁


第3章 芸能人だって権力者だって―裁判官の前ではしおらしく;
p66:家族らの信頼を裏切ったが、多くの人たちが更生をきたいしていることは、じゅうぶんわかっていると思う。→槇原に対し


第4章 被告人は無罪―「有罪率99.9%」なんかに負けない;


第5章 反省文を出しなさい!―下手な言い訳はすぐバレる;


第6章 泣かせますね、裁判長―法廷は人生道場;
p127:本件で裁かれているのは被告人だけではなく、介護保険生活保護行政の在り方も問われている。 2006/07/21/京都地裁
p130:もうやったらあかんで。がんばりや。
p136:11年余りという長期の裁判となって、亡くなられた原告もいる。ようやく判決を言い渡せました。一日も早く健康被害をもたらすような大気汚染がなくなることを願って、言い渡しを終わります。 2000/01/30 神戸地裁 竹中省吾裁判長→2006住基ネット訴訟で住民勝訴を言い渡した3日後に自殺。


第7章 ときには愛だって語ります―法廷の愛憎劇;


第8章 責めて褒めて、褒めて落として―裁判官に学ぶ諭しのテク;
p160:電車の中では、女性と離れて立つのがマナーです。→実録「それでもボクはやっていない」は、迫真のホラー映画・・


第9章 物言えぬ被害者を代弁―認められ始めた「第3の当事者」;第10章 頼むから立ち直ってくれ―裁判官の切なる祈り
p174:家庭の愛情を求めながら、その家族から虐待を受ける日々を、どんな思いで耐えていたのか。願わくば、その人生が悲しみばかりでなかったことを祈る。
p184:君の今後の生き方は、亡くなった3人の6つの目が、厳しく見守っている。
p186:(和歌山カレー事件の一審、死刑判決の理由の中で、被害者の一人一人の横顔を紹介)


{地区センターで2/7借り2/13読了、記入は15}