読書録

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『学習する組織』 高間邦男 著

学習する組織 現場に変化のタネをまく (光文社新書)

学習する組織 現場に変化のタネをまく (光文社新書)

組織の変革は大きなテーマだが、この本では、変革のプロセスを重視して、さまざまなツールや考え方を提示している。そして、「人と人とが相互作用の中で、よりよい未来を生み出す場」(p14、p60)を作ることを、目指している。実際に取り組まれているフリーな対話や、トップメッセージの発信・共有などは、なるほど、こうした理論的は背景から行われるようになったんだなあと、妙に納得もした。


(目次-引用)
第1章 組織変革の条件;
p35:誰でも人々から承認されたいし、出世もしたい、自分の組織を勝たせたいという気持ちはあるだろう。しかし、それよりも大きな大義である会社全体のため、社員皆のため、お客様のため、社会のため、という気持ちで働くことができ、自分のエゴを抑えられる人でないと、人々がついてこないし、他のメンバーや組織とのコラボレーションがうまくいかないのである。
p59:(変革を)実践するには、遠回りなようでも本物の自分を探究することから、他の人々の経験・気持の共有を行い、内外の環境に対する組織的感受性を高め、ありたいビジョンをポジティブに話し合うことから、新しい目的意識・ミッションといった集合的な意思を創造することが効果的である。


第2章 組織を変革するための出発点;
p62:強い組織は、上位にあるミッションやビジョン、バリュー、ゴールといったものと、事業部の事業計画、部・課の事業計画、個人の目標といったものが「一気通貫」に通っている。
p67:エンゲージメントの強さの3つの要因ー1.貢献感、2.適合感、3.仲間意識
p70:仕事に対する7つの指向性ー1.変化創造指向、2.指揮管理指向、3.分野固定指向、4.自由奔放指向、5.マルチ指向、6.奉仕指向、7.匠指向(5.4.1が従来の枠組みに納まらない)
p74:働く人々が組織の状況を捉える尺度ー1.経営の通貫性、2.個人の成長機会、3.朝鮮への柔軟性、4.個人の強みの発揮機会、5.経営陣への信頼、6.チームワーク性、7.多様な働き方の機会
p86:ハーツバーグは、「動議付け要因は、達成を認められる、成長できる、責任が増えるといったことである」と言う


第3章 コンピテンシー(発揮行動)を高める;
p126:記述の文法例ー状況(困難度)、対象(影響度)、価値(仕事の大きさ、成果)、特徴的な発揮行動(行動の質の高さ)、結果のレベル(結果の質の高さ:形容詞)、行動(行動の種類:動詞)←★人事評価で使える考え方だ・・


第4章 組織変革のプロセス;
p137:成功のプロセスーまずトップがビジョンを熱く語る
p139:成功する形でプロセスが回っている組織は、「学習型組織」
p146:世の中に存在しない新しいアイディアが組織内部や顧客から提案される機会は、どんな組織にもあるだろう。それをチャンスと受け止めて実現できるかどうかで、その企業の政商と衰退が決まるのではないだろうか。
p151:学習する組織は、MITのピーター・セング氏が、1990年に著した「最強組織の法則」が米国でベストセラーになって以来・
p161:アクションラーニングの手法は、イギリスの物理学者レバンス博士が生みの親で、哲学者ジョン・デューイの「あらゆる純粋な教育は、経験を通じて得られる」という主張を具現化したもの・・「反省的思考論」中の問題解決のプロセス5段階ー1.問題を感じ取る、2.問題の所在をつきとめる、3.注意深く調べる、4.問題解決のための計画をたてる、5.実践によって確かめる


第5章 組織変革の場;
p170:(テーマを掲げ計画を作ってもうまくいかない企業が多いのは)「人の心」が抜けていたからではないだろうか。人の想いとか意志、覚悟といった部分を無視した企業は、失敗したのだと思う。
p181:りんごをたくさん実らせ、甘くするには、土壌を変え、水をやらなければならないのである。
p206:プロセス・マネジメントとは、・・目標設定をしてから実現するまでのプロセスにおいて、仮説・実行・検証のサイクルを回し続けること。
p213:一見、無駄に思えるが、事前に話し合うことによって先々のブレがなくなり、修正の手間も減るので効率性が増す。


第6章 組織変革に必須のダイアログ
p220:オープンで探究的な話し合いができる組織は強い。組織変革を行う際には、こういった話し合いの技術を組織として獲得していく必要がある。

{図書館で1/18借り2/6読了、記入は2/14}