読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『はじめの哲学』 三好由紀彦 著

はじめの哲学 (ちくまプリマー新書)

はじめの哲学 (ちくまプリマー新書)

佐伯教授の自由をめぐる問題と考え方、佐々木教授の政治思想史、など触れてきて、いずれも思想というか哲学的要素がかなり強いため、哲学のエッセンスが理解できるのではないかと、青少年向けともいえるちくまプリマー新書の本著を借りる。
わかったことは、哲学の抱える課題は、いまだに解決せず考え続けていくことしかないのか、ということか。

目次より→存在の国の八つの扉:
1.存在の国の広さってどのくらいあるの? →パルメニデスの言葉「あるものはあり、ないものはない」
2.めざすは「いちばん最初の根っこ」だ →世界のすべてに共通する真理、それをすべて説明してくれるものは何か
3.科学も迷信のうちのひとつ? →ウィットゲンシュタイン自分の目を自分で見ることはできず、科学では解明できない
4.意識をつかまえるのは誰? →デカルト「われ思うゆえにわれあり」
(存在の国の最大の迷宮はここだ)
5.存在の国の外側へ出てみる方法は? →死後はゼロで、何もない
6.生きているから、すべてはある
7.死後にも世界があったら、どうするの? →魂、超自然的なものを信じる:あらゆる宗教で説くところ
8.真理はいつもふたつあった →死後に世界はあるのかないのか:死後の罰で道徳的抑止力→キルケゴールは平均化・没個性化の弊害と

という風に議論は進んでいくのだが、冒頭とラストに、『ソクラテスの弁明』を引用し、「わたしはこれから死ぬために、諸君はこれから生きるために。しかしわれわれの行く手に待っているものは、どちらがよいのか、だれにもはっきりはわからないのです。神でなければ」
を置いているところに、哲学の難しさがあるといえるのだろう。

{図書館から10/19借り28読了、記入は30}