- 作者: 三好由紀彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/03
- メディア: 新書
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わかったことは、哲学の抱える課題は、いまだに解決せず考え続けていくことしかないのか、ということか。
目次より→存在の国の八つの扉:
1.存在の国の広さってどのくらいあるの? →パルメニデスの言葉「あるものはあり、ないものはない」
2.めざすは「いちばん最初の根っこ」だ →世界のすべてに共通する真理、それをすべて説明してくれるものは何か
3.科学も迷信のうちのひとつ? →ウィットゲンシュタイン自分の目を自分で見ることはできず、科学では解明できない
4.意識をつかまえるのは誰? →デカルト「われ思うゆえにわれあり」
(存在の国の最大の迷宮はここだ)
5.存在の国の外側へ出てみる方法は? →死後はゼロで、何もない
6.生きているから、すべてはある
7.死後にも世界があったら、どうするの? →魂、超自然的なものを信じる:あらゆる宗教で説くところ
8.真理はいつもふたつあった →死後に世界はあるのかないのか:死後の罰で道徳的抑止力→キルケゴールは平均化・没個性化の弊害と
という風に議論は進んでいくのだが、冒頭とラストに、『ソクラテスの弁明』を引用し、「わたしはこれから死ぬために、諸君はこれから生きるために。しかしわれわれの行く手に待っているものは、どちらがよいのか、だれにもはっきりはわからないのです。神でなければ」
を置いているところに、哲学の難しさがあるといえるのだろう。
{図書館から10/19借り28読了、記入は30}