読書録

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『パパ力、はじめよう!』 歌代幸子著

子育てで生き方を変えた8人のパパを紹介するこの本、登場する父親たちは、いずれも魅力的だ。


最初に登場するファザーリンクの安藤さんは、かつて講演会をじかに聞かさせていただいたが、p23で、ロックスピリットを大事にしているというのがよくわかる。すなわち、「仕事をするときも、僕は必ず、『そこにロックはあるのか』と考える。ロックというのは、相手の魂を揺さぶるものだから、・・『誰をハッピーにできるんだろう』と考えちゃうんです、だからロックのないものはやりたくない」というわけで、「ファザーリンク」というのは、「父親であることを楽しむ生き方」だそうだ。そして現代の父親の子育てにおいては、?ママを支える?パパ友をつくる という。


二人目に登場するバルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦さんのところでは、塾五訓というのがいい。壁に「はい」という素直な心、「ありがとうございます」と言う感謝の心、「私がします」という奉仕の心、「すみません」という反省の心、「おかげさま」という謙虚な心

このほか、脳腫瘍から立ち直った「家本賢太郎」さんや、地域のおじさんを実践する「相田清」さん・・PTAを作り、子どもたちの車いすバスケを関係者の善意を集めながら実現させる姿は、とても素敵だ。フリーディレクターの「込山正徳」さんは、「子育てと仕事の両立」に悩みながらも、「生きてます16歳」や「天国で逢おう」などの素晴らしい番組演出に関わっている。この込山さんが、思春期にかかる子供が中学に入る時に作ったルールというのが、また参考になる。
p181:?きちんと挨拶をする?感謝の言葉をいう?他人をバカにしない?約束を守る?かたづけをきちんとする?物を大切にする?できてもできなくても、頑張る。


最後に登場する教育家「汐見稔幸」さんも、思春期の子どもへのアドバイスとして、以下引用で。
p198:子どもも内面が非常にデリケートになって、自分でもわからないような葛藤が出てくるので、親に分かったような顔をしてズケズケ入ってきてほしくないんです。だからといってコミュニケーションを断つ必要はなく、一緒にニュースなどを見ているときに、『なんであんなことするんだろう』『あの判決はひどいヨナー』という風に話しかけてみると、子どもが話題に乗ってくることがあります。・ちょっと大人の話題になっていくわけです。そうして子どもとのコミュニケーションを断ち切らないことです」
p200:反抗期といわれるもので、倫理やルールの世界を自分でつくりたいと思い始めた証拠なんですね。それなのに親がこうしろああしろ・・などと頭ごなしにいうと、子どもにとってはどうしても煩わしい存在になっていく。そこで親としては、喧嘩になっても、・『やっと自立するようになってきた』と反面で安心し、少し引いてやらなければならない。『おまえがそれだけ言うなら、もう自分で決めろ』と。『でも、何かあったときは相談に乗るから』といって、子どもの自己決定領域を少しづつ増やしていく。ただし後ろから見ていてやって、必要な時には手そ差し伸べて甘えさせてやる、親としては、少しづつそうしう役割に変えていくことですね」


なるようにしかならないのだろうけど、思春期や反抗期を、ちゃんと乗り越えていけるように、してあげたいものです。
{フォーラムより5/31借り6/26読了、記入は28}