読書録

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『子どもが壊れる家』 草薙厚子 著

子どもが壊れる家 (文春新書)

子どもが壊れる家 (文春新書)

法務教官で、奈良の事件では物議をかもしているが、この本は、1997年の神戸の少年Aや、2004年の長崎・佐世保の小6女児殺害事件など、少年犯罪加害児童の成育歴などを分析して、なぜ普通の子が事件を起こすのかという問題に迫っている。
結論を端的にいえば、親の過干渉とゲームの悪影響ということになるが、後者については、違う本では違うことをいうケースがあるものの、実際に子供たちに向き合う職場の人たちが感じるのであれば、やはり悪い影響があるのだろうとは思う。テレビゲームが子供の暴力性を増すという調査や報告についても触れている。最近の土浦の事件もゲームとの関連についていろいろ書かれていたが、ステレオタイプになってはいけないと思いつつ、問題は認識しなければいけない。以下引用。
p135:ゲームについて結論 ○多くの専門家はゲームは前頭前野の発達に良い影響は与えないとがんが得ている ○現実と幻想の区別を危うくしている ○戦いや暴力など攻撃的な要素は強い幻想をもたらし、攻撃性を強める ○ひとりで長時間遊ぶことができるため、思いやりなどの感情が育たない危険性。
p158:少年犯罪を生む家庭の共通項のまとめ ○母親による過干渉と父親の存在感のなさ ○過干渉で「もう一人の自分」が芽生え、次第に攻撃性を強める ○家庭や学校に居場所をなくしゲームやホラービデオなど幻想の世界にのめりこむ ○残虐な映像が頭の中をよぎるようになり、現実と空想の境界線が曖昧になっていく ○親が黙認するうちに歯止めがきかなくなる
p159:教訓 ○過干渉しない=子どもを自分の理想に嵌めこもうとしない ○放任しない=ゲームやインターネットとの関わりを放置しない。

{3/31借り4/6読了、記入は12}