読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『「ビミョーな未来」をどう生きるか』 藤原和博 著

「ビミョーな未来」をどう生きるか (ちくまプリマー新書)

「ビミョーな未来」をどう生きるか (ちくまプリマー新書)

和田中中学校で塾の補修を取り入れたことが話題になったが、この本は、その民間人校長となった藤原校長が、中学生向けに仕事のこと、将来のことについて、授業のように語っている。給料が増えるわけでない「成熟社会」において、どんなことを考えながら、どういう能力を身につけて行けばよいか、わかりやすくかいているので、中学生の息子にも読むように進めてみる。それにしても、生きにくい、ビミョーな未来で、自分の好きな仕事ができるかどうか、難しいですね。以下、引用。

p10:社会が便利になりすぎた。・・・未来が見えづらくなった。・・日常生活の中でコミュニケーションの必要に迫られなくなった。
p90:好きなことの延長線上で仕事をしている君は超ラッキーって、・・好きなことを仕事にしてますますそれが好きになるようなら、エネルギーはいつも満杯。・・「クレジット」が上がる。関係者との好循環が生まれるんだ。でも、「好き」を仕事にできるのは、ラッキーな一部の人。・・仕事自体を「好き」になるコツ・・それは、与えられた仕事を自分で工夫して、自分ライクに変えていくこと。
p99:昔は「万人にとっての正解」であったものが、かならずしも正解ではなくなる。むしろ個人個人が自分自身の価値観に照らして納得のいく「納得解」をもとめる技術が大切になってくる。
p103:ますます価値観が多様化、複雑化し、異なる考え方の人間が共存する「成熟社会」では、選択肢の幅を広げて人生を豊かに生きるには、「情報編集力」が欠かせないことは火をみるよりも明らかだね。

p104〜:「情報編集力」を高めるため磨く必要があるのは次の5つ、1.コミュニケーションする技術 2.倫理的に思考すること=ロジカルに考える技術 3.推理するチカラ=シミュレーションする技術 4.役割を演じる技術=ロールプレイする技術 5.自分の考えや感情を表現する技術=プレゼンテーションする技術
p110:小学校から身につけた「集中力」と「バランス感覚」を武器に、「情報処理力」の基礎を磨き、中学から高校で、5つの技術を磨いていけば、「情報編集力」が高まってくる。そうすれば、「成熟社会」という複雑で変化の激しい世界を生きる技術が身に付くということ。正解はもはや一つではない。君の考えが君たちの生きる未来を拓いていくんだね。

p112〜:どうすればクレジット(信任)レベルが上がる?10個の基本 
●3つの基本動作 1.挨拶ができること 2.約束を守ること 3.古いものを大事に使うこと 
●5つの応用編 1.人の話を聴くこと 2.筋が通っていること 3.先を読んで行動すること 4.他人の身になって考えられること 5.気持ちや考えを表現できること (情報編集力の5つに対応)
●達人へ2つ 1.「あきらめないけど、こだわらない」という潔さ 2.「感謝と畏れ」の感覚をどこかに抱いていること。
p132:将来の夢は?と聞かれたら、「ビミョー」とでも答えておこう・・実際に夢を持つには、それ相応の準備がいるから。 
p138:自分の夢を少しずつたぐり寄せながら生きてください。きっと夢のほうから、近づいてくるから(結語)

{図書館で3/29借り4/4読了、記入は5日}