読書録

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『希望の仕事論』/斎藤貴男著

希望の仕事論 (平凡社新書)

希望の仕事論 (平凡社新書)

図書館の「働き方」コーナーからさらに一冊。厳しい職場の環境のなかで、何物にも縛られない自由で伸びやかな働き方の魅力や意義を、客観情勢や起業家のインタビュー、自らがサラリーマン記者から独立する体験談などを通して紹介する。はしがきで、「生きづらい世の中・・仕事、働く現場としての職場がひどい。・・リストラの恐怖に怯えきり、・・成果主義やら雇用形態の多様化の美名の下、要は人件費の抑制を狙った待遇の悪化ばかりが待ち受けている・・経営幹部たちがコストダウンこそ最高の価値だと言わんばかりに威張ること・・よhじょどの超エリートでもない限り、一般の労働者に権利などというものは存在しないのではないかとさえ思えてしまう。・・何が何でも勤務先にしがみつこうとする人が目立ってきた」という客観情勢を紹介。扉には、「会社に縛られず、自分の思いを貫くために、働くことの意味を考え直してみよう」と呼びかける。サラリーマンの自分からは、うらやましい限りではあるが、現実はなかなか厳しい。将来が見通せないなかで、勤務先にしがみつかざるを得ないとも思えてしまう昨今です。以下引用。

p18:日経連の1995「新時代の日本的経営」報告書で、終身雇用制、年功序列賃金、企業別労働組合を変えるよう主張。人件費が高くて競争力が失われたので、これを抑制するためリストラ・切れる人間は切れという。会社で働く3つの分類、a長期蓄積能力活用型 b高度専門能力活用型 c雇用柔軟型 にわけるとする。cの臨時とか派遣は、バブル崩壊で働く側に不利に。
p33:成果主義で低い評価をされた人は納得なんかできないし、職場の仲間が敵同士となり、社内に勝ち組と負け組ができていく。職場はぎすぎすして荒れて行くばかり。
p35:不況やリストラだけが自殺の原因ではないにしても、若者も含めてこの状況に展望が持てない人が増えていることは確か。労働環境の悪化が反映されていることは間違いありません。
p37:会社に勤めれば定年まで生活が保障されるので理不尽なことを言われても耐えて一生懸命働く こういう発想の根拠が根本から崩れてしまったということ。これからは企業に頼らずに生きていかなければいけないということになる。
p39:今迄のように会社に守ってもらえるということはこれからは多分ない、守ってもらうのはあんまりおもしろい生きたかではなく、この際、自立を考えてみるのもいいのではないか。
p40:カルト資本主義の文庫版あとがきに書いた 社会経済生産性本部が1999入社の新入社員アンケートで、上司から利益はあがるが不正もしくは自分の良心に反する手段を指示されたら、「指示どおり行動する」が40%で、できる限り避け続けるび33%を上回った。
p53:成果主義の問題点by高橋俊介慶応大学教授★ 1.総額人件費を抑えるために利用する目的のはき違え 2.目標管理制度により、安全志向、短期志向に陥り、仕事の質やビジョンといった抽象的な領域の軽視が生じている。そもそも経営者の資質が問われる。
p65:「窒息するオフィス」ジル・A・フレイザー森岡孝二監訳2003)で、アメリカ企業は不況を理由に、人員削減、レイオフなどのリストラを強行し、臨時労働者を導入し、アウトソーシングを進め、会社に残った労働者に大きなしわよせがいった。「テクノロジーは仕事洪水をもたらす」ことも表現。
p72:玄田有史教授「仕事のなかの曖昧な不安」で、先進諸国では自営業者が増えていることを紹介「自分で自分のボスになりたい」という理由があがる。
p131:起業すると、責任は自分が全ておい、休日や深夜とかいっていられない、リスクもあるなかで、仕事への情熱がないとできない。
p189:佐々木かをり1989生まれmイー・ウーマン社長 の紹介
p197:久住剛(くすみ・つよし)1958生まれ、神奈川県庁職員からNPO研究、パブリックリソースセンター創設 の紹介

{図書館で1/25借り2/19読了、22記入}