読書録

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若者はなぜ3年で辞めるのか?/城繁幸

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

個としての決断の仕方はわからないでもないが、これで閉塞感から抜け出せるのだろうか?本書では、成果主義の方が良いというトーンだが、はたしてうまくいくのだろうか?

p62:キャリアパスの複線化以外にありえない。高い権限のマネージャーか、高い専門性を持つプレーヤーか。
p78:自分たちは会社に配属された部署で指示されたとおりのことをやってきた。その結果、気がついたら社内では必要のない技術者になっていた。いったいどう責任をとってくれるのか」
p113:非正規は仕事の内容がかわらないのに、人件費コストは半分以下。負担が増えた分手をぬき、それが少子化の原因。
p116:若者の安定雇用と将来の収入増という大前提が崩れ、しかも少子化に歯止めがきかない今となっては、社会保障システムは時代遅れの遺物。
p192:われわれは年功序列システムの中で、いつの間にか心まで枠にはめられてしまっている。その枠とは「待っていれば誰かが必ず正答を与えてくれる」という固定観念だ。それを捨てて、自分にとっての正答とは何か、一度問い直さなくてはならない。
p199:「この会社が必要とするのは、会社を利用して、自分の価値を高められる人間。だからどんどん会社を利用しろ」
p210:年功序列システムとは、人間本来のバラエティある動機群を眠らせ、無個性で単純な歯車にしてしまうことなのだ。
p212:過半数はただの歯車のままで人生を終わることになる、・・・なによりもまずすべきことは、自分の頭のなかで昭和的な価値観をいったん脇におき、透明な目で周囲を見渡してみることだ。
218:与えられた仕事をこなすだけでは、けっして望むものは手に入らない。企業のために、ではなく、あくまで自己のキャリア形成のために業務が存在するべきなのだ。・・・若い自分の滅思奉公せよとか、転職は無責任といわれても、将来序列が上がるという対価の保証がなくなった今は契約は空文化している・・
p221:「自分で道を決める自由」レールの先にはどうやら明るい未来はなさそうだが、代わりにどこでも好きな方向へ歩いていけばよいのだ。
p225:自分の胸の奥にある動機に従うか、それとも昭和的価値観に身をゆだねるか、決めるのは自分自身。

{図書館で11/3借り12読了}