大人になれないまま成熟するために―前略。「ぼく」としか言えないオジさんたちへ (新書y)
- 作者: 金原瑞人
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2004/10
- メディア: 新書
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全共闘世代と若者文化、そして今につながる部分を教えてくれる。著者がいいたいのは、あとがきp218「『世界は変革できる、それができるのは若者だ』と一時的にでも夢を持たせてくれた世代に対する期待、不信感と期待、これが批判のような愚痴の背景にある」か。
ヤングアダルト文学への思い、また著者が、金原ひとみさんの父親とは、知らなかった。久しぶりによく引用されていた「ライ麦畑でつかまえて」を読みたくなった。
p88「『ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ・・馬鹿げていることは知っているけどさ』これはホールデンがフィービーに向けて語る言葉の一部ですが、・・がけっぷちで落ちそうになった子どもがいたら助けてあげたい、そういう人間になりたい・・大人たちへの嫌悪と対をなすモチーフ」
p169「上の世代が残した破壊の結果を前にして、・・・僕らは三無・・壊すことに初めから嫌気がさし、創ることには自信がもてないまま、闘わずして休息が必要な時間に居合わせたような気がする」
{図書館から9/7借り17読了}