読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

大人になれないまま成熟するために/金原瑞人

全共闘世代と若者文化、そして今につながる部分を教えてくれる。著者がいいたいのは、あとがきp218「『世界は変革できる、それができるのは若者だ』と一時的にでも夢を持たせてくれた世代に対する期待、不信感と期待、これが批判のような愚痴の背景にある」か。
ヤングアダルト文学への思い、また著者が、金原ひとみさんの父親とは、知らなかった。久しぶりによく引用されていた「ライ麦畑でつかまえて」を読みたくなった。

p88「『ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ・・馬鹿げていることは知っているけどさ』これはホールデンがフィービーに向けて語る言葉の一部ですが、・・がけっぷちで落ちそうになった子どもがいたら助けてあげたい、そういう人間になりたい・・大人たちへの嫌悪と対をなすモチーフ」

p169「上の世代が残した破壊の結果を前にして、・・・僕らは三無・・壊すことに初めから嫌気がさし、創ることには自信がもてないまま、闘わずして休息が必要な時間に居合わせたような気がする」

{図書館から9/7借り17読了}