読書録

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老後がこわい/香山リカ

老後がこわい (講談社現代新書)

老後がこわい (講談社現代新書)

p62:「やってやれないことはない、やらずにできるわけがない」を聞いて育った世代にとって、「やってもできないことがある」という現実を今さら受け入れるのはたいへんむずかしいこと。
p114:(医師志望者は)「お金が儲かり責任が軽い仕事がいい」と思っている、というのが現状。
p120:日頃私は「愛国心?生まれ育った国に愛情を感じるのは自然なこと?自然な感情なんて非合理だ」と根拠や理屈のない情感や情緒を強制する動きに非難を唱えているのに、動物に対してだけは、無条件にかわいいというのは到底許されることではないだろう。
p142:「死ぬまでにしたいこと10のこと」というイザベル・コヘット2002年の映画より、余命2か月とづげられたアン23歳のリスト。 1.娘たちに毎日愛しているという 2.娘たちの気に入る新しいママを見つける 3.娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する 4.家族でビーチへいく 5.好きなだけお酒とタバコを楽しむ 6.思っていることを話す 7.夫以外の男の人とつきあってみる 8.誰かが私と恋に落ちるように誘惑する 9.刑務所にいるパパに会いに行く 10.爪とヘアスタイルを変える。学生に作らせると家族と話す、国内旅行へ行く、おいしいものを食べる などで先が続かない
p151;井上治代さんの「この世話にならずに死にたい」(2005講談社現代新書)に自然葬、自由葬のわかりやすい解説あり
p161:詩人、茨城のり子さんの孤独死「寄(←にんべん)りかからず」の挨拶状、「じぶんの耳目、じぶんの二本足のみでたっていて、なに不都合のことやある」を実践
p188:明日のことも老後のことも、結局はなるようにしかならない。だから、自分でできるかぎりのことをしたら、あとはあまりかんがえすぎずに「今日一日も無事に終わったじゃないか」と、とりあえずおいしいビールでも飲もうじゃないか。

今回の参院選で、社民党(比例)の政見放送で司会をつとめていた香山さん。なかなか魅力的な方だと思っていましたが、この本では、いろいろ本音が出ているようにも思います。p188の最後の締め方、こういう風にでも考えないと、ほんとやっていけない時代なんでしょうね・・・


{フォーラムで7/21借り8/4読了}