読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

生き方

生き方―人間として一番大切なこと

生き方―人間として一番大切なこと


「世のため人のために尽くすp239」という“正しい”考え方で、「仕事を好きになるp107」ことで情熱を傾けることが、「仕事を通して人生を豊かなものにしていく唯一の方法p109」という考え方は、とても共感できる。著者が、自らの歩みを振り返りながら説く内容には、とても説得力がある。生きる意味や価値を見いだせない閉塞的な状況を脱していくためのヒントがたくさんつまっている。

中でも、【人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力(p24)(p95)】という方程式が、とてもわかりやすく、説明しやすい。

これを掛け算として、考え方がマイナスになれば結果も180度変わるため、プラス思考の「つねに前向きで建設的(p27)であることがとても大切であること訴えている。いろいろあっても、常に心にとめておきたい考え方だと思う。

また、ワークライフバランスについても、ライフを豊かにするにはどうしたら良いか、改めて考えさせられる。著者は、労働を必要悪として考えるのではなく、「日々の仕事を精魂込めて一生懸命行っていくことがもっとも大切で、それこそが、魂を磨き、心を高める(p22)」「人は仕事を通じて成長していくものです。自らの心を高め、心を豊かにするために、精いっぱい仕事に打ち込む。それによって、よりいっそう人生をすばらしいものにしていくことができる(p168)」と、働き方について釈迦の修行を引用しながら説明している。


出版したサンマーク出版のサイト⇒ http://www.sunmark.co.jp/book_profile/detail.php?cmn_search_id=978-4-7631-9543-2


引用して残しておきたい言葉が溢れているが、このうちいくつかを以下に
KDDIが携帯電話事業を始めた際に、当時の他の役員から失笑をかったが、“いつでも、どこでも、だれとでも”という携帯電話によるコミュニケーションの時代は必ず来ると明確にイメージできた(p48)

◇p61:いっけん無理だと思える高い目標にもひるまず情熱を傾け、ひたむきな努力研鑽を惜しまない。そのことが私たちの能力を、自分自身もびっくりするほど伸長させる。あるいは眠っていた大きな潜在能力を開花させるのです。
⇒大きな成果をあげるには、「大きな夢」を描くことが肝心(p77)
ニュートンのリンゴと重力のように、日ごろの「問題意識」があるかどうか(p78)
⇒「一日一日をど真剣に生きる(p98)」

◇中坊さんの言葉「事件の鍵はすべて現場にあります。現場には神が宿っているのです」に、現場主義に徹してしっかり現場を観察することが大切なのだと改めて納得した(p69)

◇p83:人生も経営も原理原則はシンプルがいい=「人間として何が正しいのか」正しいことを、正しいままに貫いていく
⇒不動産バブルに巻き込まれなかったのは、「額に汗して自分で稼いだお金だけが、ほんとうの“利益”なのだp91」
⇒複雑な問題も解きほぐせばクリアに見えてくる(p113)数学者の広中先生から平面交差を立体交差に次元を高くし解決
⇒国際問題や国家間の問題も、迷惑をかけた相手には謝る(p116)⇒世界連邦政府構想も提案(p118)

◇心を磨く指針として経験から「六つの精進」p137〜138
1)だれにも負けない努力をする
2)謙虚にして驕らず
3)反省ある日々を送る
4)生きていることに感謝する
5)善行、利他行を積む
6)感性的な悩みをしない (仏教の三毒p152は、欲望、愚痴、怒り)
⇒「神さま、ごめん」と「なんまん、なんまん、ありがとう」が口ぐせで、反省と感謝の心を自分を律する明快な指針p148
⇒理性と良心を使って感性や本能を抑え、それらをコントロールしていこうと努めることが大切p239

◇近代以降の日本は40年周期で大きな節目(p199-200)
1)1868年〜 封建社会から明治維新で近代国家に。富国強兵の道
2)1905年〜 日露戦争に勝利し、強兵により軍事大国の道
3)1945年〜 敗戦で、富国により経済大国の道
4)1985年〜 プラザ合意で経済大国のピークから、バブル崩壊後は低迷期
⇒これからの哲学は「足るを知る」感謝と謙虚さをベースにした、他人を思いやる利他の行いp202

◇人生をつかさどる見えざる大きな二つの力「運命」と「因果応報の法則」(p209)


いくつかと思ったら、やはり結構な分量になってしまったが、それだけ重みもある。

先月、テレビでインタビューとともにこの本も紹介されていた。方程式については、さまざまな場で紹介されていたので知らないわけではなかったが、やはり一冊手に取って読むことで、深みが変わる。

生き方については、自分としても、いま一番共感できる考え方なのだと思う。


{12/8-10読了、記入は12}