- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/11/27
- メディア: 文庫
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著者が描いた1995年から2000年というのは、自分自身でも大変な時期であった。
阪神淡路大震災、オウム事件、てるくはのる事件など、著者が触れている実際の事象に、苦い記憶がある。
それだけに、読んでいて辛いというところもあった。
また、現実と登場する3人の人物がいろいろごっちゃになって、読みづらさを感じたこともあった。
長年、この著者の本を読んできて、今回の本は、これまでになく、自分にとっては読みにくかった。
その一方で、この時代の混迷とその後の希望をどうやって見出していけばいいか、現代史の資料として、この本を買って残しておくという手はあるのかも知れない。
自分にもいつものテーマだけど、p281「生きていれば、なんとかなるんだよ」
それこそ30年以上前に呼んだ、柴田翔のノンちゃんの冒険にも出ていたと思うこのフレーズが、やっぱり好きだ。
この本を読んでいて、ノンちゃんと、ノンちゃんを朗読していたラジオドラマでかかってきた曲を思い出して急に聞きたくなり、中古屋さんで、グローバーワシントンjrのcdアルバム、ワインライトを買った。
また、阪神淡路大震災で復興ボランティアに参加した高校生のタカユキは、その後二浪したり、女性とつきあったあと離れていく話が展開する。
今回の東日本大震災を受けて、子どもから何が出来るのかと問われたとき、この話を思い出して、頑張りすぎてもだめで、忘れずに相手を思いやる心をもつこと、などと答えた。
{〜11/3読了、記入は11/13}