読書録

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『生涯現役社会のつくり方』 横石知二 著

生涯現役社会のつくり方 (SB新書)

生涯現役社会のつくり方 (SB新書)

そうか、こんなこともできるんだ!と元気にさせてくれる本。

葉っぱビジネスのような高齢者も楽しみながらできる「仕事」が他にもあれば、他の地域でも応用がきくのだろうけど、そこのところは、なかなか難しいのかもしれない。

ただ、上勝町(かみかつちょう)の取り組みを通して、人というのは、「競争」がないと単に理念だけでは動かないし、「儲ける」ということも動機としては大事なことなんだろうとは思う。共産主義がうまくいくはずはおそらくないのだろう。

著者は、この一つの取り組みを通して、普遍的な原理原則を教えてくれていると思う。

(扉)
朝起きてもやることがない。だから顔見知りが集う病院に行く。すると病院が「談話室」と化す。これが医療費増大の一面である。こうした負の循環を断つには、高齢者が自ら稼ぐ「産業福祉」の仕組みづくりが必要だ。生きがいになる仕事があれば、健康を維持しつつ収入も得られる。高齢者は納税者となり、医療費は減少。「老後」は「明るい将来」となる。人口の約半分が高齢者の町で「葉っぱビジネス」をおこし、“好期”高齢者の社会を実現した著者が、二十数年かけて培った生涯現役社会のつくり方のノウハウを公開する。


(目次-引用)
はじめに 
p4:「好期」高齢者を増やしていきたい。自分の好きなことが生きがいとなり、生涯現役で活躍できる元気な高齢者が増えれば、膨らむ一方の医療費は必ず抑えられます。高齢者を元気にする仕組みを作れば、これからの日本の超高齢化社会も必ず維持していくことができます。


第1章 年金受給者から納税者に;
p27:高齢になってからも年金以外に収入が得られる安心感、それによる暮らしのゆとり、自分が稼いで自由に使えるお金で誰かに何かをしてあげられるうれしさ。何より自分の出番が回ってきた喜び。


第2章 高齢化しても医療費は少なく;
p55:必要とされる→それに応えようとする 社会とつながる→やりがいが生まれる


第3章 高齢者は「うば捨て山」ではない;
p71:人に評価される→うれしい:高齢者の自意識の強さを推進力に


第4章 老後を将来に;
p85:夢の種をまく→自分自身の可能性を広げる →子や孫の将来につなぐ
p92:やることがなければ不安は永遠に続きます。今日やること、明日やることがあれば現実が見え、いい生き方につなげていけるわけです。
(p165:夢の種が後継者につながり、田舎、個人から日本を元気にしていくことこそ、国レベルの政策よりもっと確実に功を奏すると信じています)


第5章 認知症予備軍から数字に強い高齢者へ;
p103:人は誰かがしてくれるとなると、自分で考えるということをしなくなる。地域の行政は補助金に頼り、住民は同じことを繰り返す暮らし。
p117:カンブリア宮殿村上龍さんの言葉=「その土地に生きる一人ひとりが目標と生きがいを持てるかどうか」なのです。


第6章 高齢者とパソコン;
p130:○使いたくなる仕組み(必然性あり)、×机上の仕組み(必然性なし)


第7章 高齢者が自立できる環境づくり
p149:★人間を元気にする3つの要素、それは「出番」「評価」「自信」だと私は考えています。:絶対言ってはいけないこと「昔はよかった」「できない」
p156:変化せずに何もしないほうのリスクが実はすごく高い・・・いま高齢者に必要なのは変化に対する挑戦なのかもしれません。
p162:人の幸せとは、自分の出番や居場所のある暮らし、自律できている環境の中にあることと考えています。・・私が思うのは、家族よりちょっと大きな集合体の中で自分の役割があるというような、そういう社会をつくったほうがいいということです。


おわりに
p170:大事なのは、あきらめないことです。絶対にあきらめてはいけない。・・あきらめずに頑張り続ければ、誰かが応援してくれるということが、よくあります。・・そのためには日頃から応援してもらえるような自分になっておくことと、いろいろな人と絆を深めておくことが大事です。


{図書館で借り4/30読了、記入は5/4、10補足}