- 作者: 城山三郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/01/24
- メディア: ハードカバー
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長女が生後3か月で亡くなっていたことは知らなかった。p113先に子供に死なれたら、その痛みや喪失感がなくなることなどないのでは。
病床にあってさえ、夫の仕事に迷惑をかけまいと気遣う妻・容子さんの思いには、圧倒させられるものがある。
また、自分がガンと知って、明るい歌声で夫に伝えたという部分にも、涙がこぼれた。
しかし、余命について、城山三郎さんも容子さんも知らされていなかったというのは、残念なことだったのではないか。
貴重な最後の日々を知ったうえで、過ごしてほしかったように思えてならない。
p22:はげしく生き、そして死んでしまった者たちに代わって、私は、何ができ、どう生きればいいのだろう。・・小説という形で答えようと決めた。
p76:イタリアの経済学者パレートが好んだ、「静かに行くものは健やかに行く 健やかに行くものは遠くまで行く」という箴言を、何度も口ずさみながら。←父が好きだった言葉とこの本をまとめた娘の言葉
死後にまとめられ、城山三郎さんらしくないという印象はあるが、温かい人間性を感じることができ、久しぶりに読んで泣きました。
{地区センターで10/5借り17読了、記入は18}