読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『脳を活かす勉強法』 茂木健一郎 著

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

TVでも活躍中の脳科学者の著者が、自分の進学(東京学芸大付高校)体験も交え、「勉強の仕方がわかった」からと、その方法を脳の仕組みも含めて紹介している。「できない子」だったと謙遜しているが、こういう集中力が持てるから「できる」のだろう。

冒頭で、勉強の本質は脳を喜ばせることだとして、次の3つの仕組みが必要だという。(p12)

1.「ドーパミン」による「強化学習」によって、脳を強化する。←強制されたものではないことが大事で、自分で選んでいるという感覚こそが強化学習に欠かせない+成功体験(p27)

2.「タイムプレッシャー」によって、脳の持続力を鍛える。←制限時間を設けて、「苦しい刺激」で脳を鍛える。

3.「集中力」を徹底して身につける。←1.速さ 2.分量 3.没入感 で人の目を気にせずなりふりかまわずやる(p65)+細切れ時間にこそできることが無限にある(p75)

また、具体的な方法として、いろいろなテクニックを紹介している。
p82:モダリティを駆使して効率的に記憶する→高校時代に試験前には教科書を全文暗記:暗記するときは視覚聴覚味覚嗅覚触覚の五感を総動員する+p98朝の方が覚えが良く、睡眠を守って脳を整理する。←書き写しているだけでは意味がなく、いったん頭に入れて、アウトプットすることに意味がある、というのはそうなのかと感じた。
p119:たくさんの量にふれることが読書には必要+ネット上に知識情報があり、本当に必要な情報を見極める。
p141:勉強とは自分の脳の特性を見つけること+欠点弱点を直視し修正する、失敗や逆境から学び自分の力にかえる。
p163:「喜び」を基準に人との関係性を結ぶ+他人との関係性が人生に大きな影響を与える
p175:安全基地の役割とは、子どもがあくまでも自主的に挑戦しようとすることを後ろからそっと支えてあげることです。一番大事なのは、見守ってあげること、見てあげることこそが、安全基地のもっとも大切な要素なのです。
p178:不確実さが、脳にとってはとても心地よいもの→難しさに挑戦して乗り越えたときに初めてかげがえのない喜びを感じる。

著者は最後に、人間の本当の魅力は、その人の内面的な輝きによってもたらされるものだと思うと指摘し、学習の最終目的として、
「まず最初に強化学習の回路の最初のひと回しを行うこと。その過程でさまざまな試行錯誤を重ねること。そして、長い人生を通して知を探究していく姿勢にこそ、大きな価値があるのです。知の探求というオープンエンドに挑戦すると決めたとき、それが、あなたが「脳を活かす勉強法」を体得した瞬間です。あとは、脳が思うがままに強化学習の回路を「暴走」させていけばよいのです」とする。

今週は、押井さん(生き方論)、日垣さん(父親論)、岡田さん(子どもの心)と、読み進めてきたが、いずれも「自主性」を重んじるところが共通していた印象。ただ、どう自主性を育て、自立させていくのか・・・反抗期にも入りつつあるなかで、それこそ、勉強しろと親から言われたことはないが立派な学者として活躍されている本著の著者のようになってくれればいうことはないが、なかなか凡人には難しいし・・・

思えば、自分の中学〜高校時代には、部活に熱中して、勉強といえば一夜漬けの連続みたいなものだった。ただスポーツをしていたおかげで、集中力はあり試験には対応できたが、どうも定着はしなかったと実感する。まだまだ学ぶべきことは多い・・

{図書館から8/7借り15読了、記入は16}