読書録

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松下幸之助は泣いている 日本の家電、復活の条件 (朝日新書)

松下幸之助は泣いている 日本の家電、復活の条件 (朝日新書)

「第一はお客さま、第二に従業員、第三は株主」p191という優先順位や、「松下は人をつくる会社です。あわせて電気製品もつくっています」p174という『幸之助さん』の考え方は、お客さまを大切にし、組織は人であることを改めて認識させてくれる。

韓国勢におされて苦境にあえぐ日本の家電業界(パナ、シャープ、ソニーの2011年度赤木が合わせて1兆6000億円)、リストラで一時的に業績を回復させたとしても、人材と技術が流出して、さらに厳しい状況に追い込まれている印象が、雑誌・家電批評の5月号にも掲載されていたが、いったいどうなっていくのか。「★こけたら立ちなはれ」p11の言葉とともに、著者はこれまでの言葉を引用し、自らのアメリカでの経験も紹介しながら、いかに「人のつながり」や「信頼関係、誠意」が大切かを説いている。


このほか、引用されている幸之助さんの言葉から
p27「よく人の意見を聞く、これは経営者の第一条件です」
p38「水道哲学」⇒「産業人の使命は貧乏の克服である。そのためには物資の生産に次ぐ生産をもって、富を増大しなければならない」「産業人の使命も、水道の水のごとく、貴重なる生活物資を無尽蔵たらしめ、無代に等しい価格で提供することにある。それによってこそ人生に幸福をもたらし、この世に楽土を建設することができるのである…」
p65「すべてが共に栄える。共存共栄するということでなければ、真の発展、繁栄はありえない」
p100「客のためになるものを売れ」
p121:「真剣に叱られる」
p138:「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永久の客を作る」
p146:「営業は誠意だ」
p150:「ときには自分の考え、また自分をとらえている常識や既存の知識から解放され、純粋な思いつき、というものを大切にしてみてはどうだろうか」
p232:「★成功とは、成功するまで続けることである」あきらめない心のもちよう



また、著者の考える今後の在り方について
p49:垂直統合型経営から水平分業型経営へ:EMSのスピード感についていけず
◇リストラで、辞めさせられる前に自分を売り込み辞めていくのは優秀な人で、人材が大切『最終的にビジネスは人p90』長い年月をかけて蓄積してきた貴重な技術や知識を失うp178
p115:(見せ筋、売れ筋、呼び筋の)三種類のバランスが非常に大切(高級品で話題、セールで呼び、普及品を大量販売)
サムスンのような地域専門家を育てる
◇家電製品やデジタル機器がインターネットを介して相互につながることが可能になり、いつでもどこでも必要な情報を得たり、映像や音楽、コミュニケーションなどをの太占める新たな利便性が生まれp152⇒ユビキタス:アップル製品群⇒読める人材がいなかった
ユビキタスの次はテレビ、放送とインターネットを同時に楽しめるスマートテレビをアップルが本格的に手掛けると、そのインパクトは想像もつかない
◇日本では役員と部長の年収の差が倍もないが、アメリカでは数十倍が普通で企業の活力の源になり、インセンティブが大きいp182
◇国際分業体制の変化に対応して国内の産業構造を変える、競争力のあるビジネスを伸ばす
メイドインジャパンを捨てて、中国との共存共栄を推し進める、中国を中心にアジアに根を張る
◇「この良さがわからない方がおかしい」という上から目線をやめ、世界の人々が求めている商品を知る+地域への対応とコストのバランスをとり、売れる商品づくりへp220


⇒お客さんのためになる商品、喜ばれる商品をイメージしながら存分に「★やってみなはれ」
優れた経営者は、部下に仕事を任せる度量を持っているものです



{5/23-26読了、5/31〜6/6記入}