読書録

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『「テレビは見ない」というけれど』 青弓社編集部/編著 西森 路代/ほか著

 副題「エンタメコンテンツをフェミニズムジェンダーから読む」にある通り、多彩な番組、タレント、事案が盛り込まれている。ただ、紹介されているコンテンツに、自分がどの程度馴染んできたか?というと心許ないところがあり、著者らの豊富な事例には、よくここまで観ていると感心する・・

発刊した青弓社(2021.4)のサイト↓ 

www.seikyusha.co.jp

 いくつか代表的な章立てや内容など引用↓

第1部 バラエティーフェミニズムジェンダー
 第1章 第七世代が浮き彫りにするテレビの問題点 西森路代
p27:第七世代は、ただ「人を傷つけない」だけの存在なのだろうか:ミルクボーイ、ぺこぱなど
p35:「赤信号、みんなで渡れば怖くない」ビートたけし・・権力や多数派におもねらないネタ
→『バカ論』(新潮社2017年)あとがきで、多数派の意見に流されるととんでもないことになると警告していた
p41:9:本音がテレビを変える可能性

 第2章 人気バラエティー番組でのジェンダーの“描かれ方” 清田隆之

 第3章 テレビ史から見える女性芸人というロールモデルと可能性 西森路代
p69:遅咲き/再ブレイクの女性芸人・・1971年生まれの同級生コンオアシズの光浦と大久保、1972年生まれの阿佐ヶ谷姉妹細かすぎて伝わらないモノマネ選手権知名度をあげ・・ほぼ同世代の両コンビは、アラフィフで独身、おばさんのリアルを隠さず、とても明るくこの年代の生き様を見せてくれる。

 第5章 バラエティー番組の暴力性――性的マイノリティをめぐる表現から 松岡宗嗣
 第6章 なぜワイドショーはずっとああいう感じなのか 武田砂鉄

第2部 ドラマとフェミニズムジェンダー
 第7章 フェミニズムの視点を取り入れた日本のドラマの変遷――二〇一四年から現在まで 西森路代
p123:2016年の逃げ恥が社会現象、
p130:2019年の朝ドラ『スカーレット』フェミニズムを直球で描く
 第8章 坂元裕二宮藤官九郎野木亜紀子――三人の作家とフェミニズム 西森路代

あとがき 西森路代
p239:(『パラサイト』受賞でイ・ミギョンスピーチを引き合い)観客の厳しい批評の目が作品をよりよくさせる ということはテレビについてもあてはまるだろう。本書の作品の豊かさを引き出す論考も、テレビを作っている人に届くことを願っている。

 阿佐ヶ谷姉妹については、現在放送中のテレビドラマと先日のマツコ会議で、誕生の経緯などを初めて知ったのだが、今の時代、何が受け入れられ見られるのか・・不安が広がる中で癒やされたいのかもしれない。

www.nhk.jp

www.ntv.co.jp

 あとがきにあるように、豊かなコンテンツを期待したい。

 

{2021/11/22月-25木:読了、記入は11/28}