ジェンダーをめぐる表現などで炎上が相次ぐ昨今、勉強会があるのを前に、男女共同参画センターで借りて読む。CMで批判を受けた内容で共通するのは、「決めつけ」と「現状追認」だと、治部れんげさんは本著で指摘する。女性の上司がいるというだけで防げることではなく、多様性を理解しフラットで自由に話せる場が大切だという白川桃子さんの指摘も、これまでの経験からも共感した。
発刊した亜紀書房のサイト↓
記憶しておきたい内容を、目次とともに引用
1 「女性メディア研究者」の居場所探し――MeDi(メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会)発足に至るまで(林香里)p13:ステレオタイプの不自由な女性像こそ、メディアがつくている部分が大きいと考えている。だから、まずは、私たちの表現空間の解放が必要だ。p29:(2017/5/20に東大の5月祭で決起集会)⇒MeDi(メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会)の名称で5回のシンポ、2回のスピンオフイベントp130:2017年民放労連女性協議会の調査で、正社員の女性比率は2割前後、現場(制作、報道、情報制作部門)の女性責任者はゼロp134:古田大輔氏、長時間労働を止めるには、止めるべき仕事のルール、効率化するツール、現場の多様性を阻害しないカルチャーが大事。p135:自分の仕事の時間が「無限」だと思っている人には、「時間は貴重だ」と思っている人の気持ちは理解できない。自分の時間を大切に出来ない人は結局人の時間も大切にできないのだ。p137:必要なのは、24時間働けないのはB級社員、休みは悪という昭和の働き方の美学のアンインストールであろう。多様性を根付かせるために、まずは一旦長時間労働DNA自体をアンインストールする必要がる。その後、メリハリある柔軟な働き方を拡充していくのが順序として効率的だ。p153:村木厚子さん『日本型組織の病を考える』で不祥事を起こしやすい組織の特徴は、『権力や権限がある』『正義や公のために立派な仕事をしているとのプライドがある』『機密情報を扱うため、情報開示が少なく、外の目が入りにくい、』『失敗や間違いが許されない』5 ジェンダー炎上する広告やCM――市民は何に怒っているのか(治部れんげ)p159-Case2:サントリー頂-性的な表現とチャンネル+女性たちの服装や所作はAVを連想させる演出Case3:ユニバーサルホームの「ちょっと待ってね」篇-家庭における性別役割分業とその追認+男性は外で働き、女性は家事育児に専念するCase4:駅ビル・ルミネの動画-職場における性別役割分業とその追認+女性が職場の華扱いされている現状と、それを肯定的に見る価値観p175:共通しているのは「決めつけ」と「現状追認」p184:できるなら「あなたの意見には賛成しませんが、あなたがそれを好き/嫌いと思う気持ちは尊重します」という関係を多くの人と築きたい。6 ネットミソジニー――行き場のない憎しみが女性に向かっている(浜田敬子、竹下郁子)p228:会議の8分の1法則:参加人数と時間と資料を全部半分に・・浜田氏がファザーリング・ジャパン理事の川島高之さんから時短で7 「殻」を破ろうとする韓国の女性たち――消される「声」に抗して(李美淑)p247:ソ・ジヒョン検事2018年1月26日に検察内部の掲示板に2010年法務部検察局長から性暴力を受けたと告発
結構前に読み終わっていたのに、このブログに残すのに時間がかかってしまった・・・書くのが負担になるようだったら止めた方が良いのかも知れないが、どうも記憶力の低下はいなめず、書き残しておけば、あとで検索して記憶をたどることもできるのではないかと期待して、まだしばらくは続けてみたい。
ジェンダーギャップの国際ランキングで低いことも書き留めた記憶があり、「ジェンダー」でこのブログを検索して過去記事を貼り付けておくと、以下16冊分あった・・
ずっと課題であり続けているが、徐々に改善されて、よりよい方向に向かうことを祈らずにはいられない
{2021/6/1火_4金読了、記入は6/17(木)}