読書録

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『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』 橋本 治 著

  2019年1月に亡くなった著者の最後の一冊。著者の本は、この読書録を始める前に、『上司は思いつきでものを言う』を読んで、埴輪を売って業績回復せよという指示をめぐるやりとりが、とても面白かった印象が残っている。今回の本は、都知事選、もりかけ問題、財務次官のセクハラなどなど、世を騒がせた問題を、厳しく批判している。

父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない (朝日新書)
 

  発刊した朝日新聞出版社のサイト↓

publications.asahi.com

 それにしても、月日がたつのが早く、あれだけ騒いでいたのに、もう昔のこととしてはいけない、ということを本書を読んで思い起こしました。次の一文など心に留めたい

p185:財務省は文書の改ざんを認めて、それなりの処罰者も出したが、その最高責任者である総理のお友達の財務大臣は無傷でお咎めがなかった。そして、肝腎の「財務省はなぜその文書を改竄しなければならなかったのか?」ということは、問われなかった。それでいいのかね?黒澤映画に倣ってもう一度ー「悪い奴ほどよく眠る」。

 この映画は、見た覚えが無く、見てみたい。
 

 いまは、新型コロナウイルス肺炎の感染拡大を抑えられるかどうか?で、これを書いているきょう3月2日(月曜)から学校での一斉休校も行われ始めたところ。

 一方国会では、桜を見る会や、東京高検検事長の定年延長などの問題も続いているが、もりかけ問題のように、うやむやなってしまうのか・・・
 各社の社説は、無料で読めることが多く、東京新聞の社説で、定年延長問題に鋭く切り込んでいたので、リンク先と一部引用で記録しておきたい↓
 

「週のはじめに考える 権力は「無罪」なのか」 2020年3月1日

 「権力はみずからの嘘(うそ)に囚(とら)われており、そのため、すべてを偽造しなければならない」

 はっとします。東欧・チェコの大統領だったハベルの言葉です。「ビロード革命」と呼ばれる、社会主義体制から民主化への転換で中心となった人物です。チェコ文学者の阿部賢一東京大准教授がNHK番組「100分de名著『力なき者たちの力』」で紹介しました。文章はこう続きます。

 <過去を偽造し、未来を偽造する。統計資料を偽造する。(中略)人権を尊重していると偽る。誰も迫害していないと偽る。何も恐れていないと偽る。何も偽っていないと偽る。(中略)それゆえ、嘘の中で生きる羽目になる>

www.tokyo-np.co.jp

 新型コロナウイルスの感染が、早く終息して、平穏な日々が戻りますように♪

 

{2020/2/17_28読了、記入は3/3(火)}