読書録

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ジェンダーで学ぶ社会学 全訂新版

ジェンダーで学ぶ社会学〔全訂新版〕

ジェンダーで学ぶ社会学〔全訂新版〕

 編者の伊藤公雄氏が冒頭に論じているように、社会学ジェンダー論が、いままで「あたりまえ」だと考えられていたことにメスを入れることで、「個々人の自由と平等の実現とともに、他者との深い絆によって結びついた新しい人間関係」を築くための学問としての意義をもっているp17ということを頭において、考えていきたいと思う。

 また、社会学の3つの視点として、1)個人から出発して社会を考える(方法論的個人主義ウェーバー)、2)個人を超えた存在として社会をとらえる(方法論的社会主義デュルケーム)、3)人と人、集団と集団の相互作用こそが社会の本質(p3)と紹介しているが、改めて『自殺論』など読みたいとも思った。


出版した世界思想社のサイトに目次あり⇒ http://www.sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&code=1668


いくつか印象に残った論点を以下に引用
◇ことばをめぐり、「未亡人」や「主人」が問題視され、最近は「夫」「つれ合い」で呼ぶ女性が増えるp60など、表現の自由を守りながらも差別しないことばをつくりだしていくp64

◇恋愛をめぐり、「個人の達成に重きをおく現代社会においては、「他者を通じた自己実現」は、それが夫であれ子どもであれ、本人や当事者たちにいずれは葛藤をもたらし、現代の多くの女性たちにとって一生の幸福を約束するものとは決してならないのである」p75

◇働くことについて、「男性と女性で異なっており、働いて得られる報酬に男女差があった…よりよく働くためには何が必要なのか、家族重視モデル(WLB推進、社会保障制度の見直し=130万円の壁)、職場重視モデル(同一価値労働同一賃金の原則、積極的改善措置)の両方から考えて…よりよく働くためには自分のなかにあるジェンダー意識を見直すことも必要」p111


{12/17-01/03読了、記入は10}