- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2004/10/01
- メディア: 文庫
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「すべてがFになる」など、森博嗣氏のS&Mのシリーズは、なかなか面白く結構読んできた。その伏線の引き方に驚かされたこともあったが、今回は、かなり趣がかわっている。また、「生きる」ということについて、いろい考えさせられることがあった。
(扉より)
僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。
p124:生き甲斐を見つけろ、と昔のマニュアルには書いてある。つまり、退屈を凌ぐために生き甲斐を見つける。結局昔から何も変わってはいない。遊びでも仕事でも勉強でも、同じだと僕は思う。淡々と生きている僕たちには、それがよくわかる。
p262:けれど・・・、少なくとも昨日と今日は違う。今日と明日も、きっと違うだろう。いつも通る道でも、違うところを踏んで歩くことができる。いつも通る道だからって、景色は同じじゃない。それだけでは、いけないのか?それだけでは、不満?それとも、それだけのことだからいけないのか。それだけのこと。それだけのことなのに・・・。言葉を思いつかなかったので、僕は黙っていた。
{地区センターから12/13借り、12/19読了、記入は12/22+27}